本誌でも既報のとおり、MicrosoftはWindows 10テクニカルプレビューの初アップデートを公開した。当初から噂されていたように、新たなビルドはISO形式ではなく、 Windows Update経由の更新する仕組みを採用している。ただし筆者はWindows Updateによるプロセスを目にした訳ではない。

「PC settings(PC設定)」の「Update and recovery(保守と管理)」に加わった「Preview builds」から手動ダウンロードおよびインストールを行った。アーキテクチャや言語によってアップデートファイルの容量は異なるものの、2~2.74GB(ギガバイト)に収まるという。

「PC settings」→「Update and recovery」→「Preview builds」とたどると現れる更新画面。<Download Now>ボタンをクリックすることで、ビルド9860への更新が始まる

ビルド9860の注意点

しかし、ここからが長い。Windows 8からWindows 8.1へアップグレードしたように、多くのシステムファイルを置き換え、コンポーネントの登録を行っているからだろう。数回の再起動を経て、サインインすると「installing your apps(アプリをインストールしています)」のメッセージと共にWindowsストアアプリの再構成が始まる。

アップデートにはPCの再起動が必要となる。過去のWindows 8.1 Updateを連想すると分かりやすい

これは、新規ユーザー作成時に現れるお馴染みのメッセージだが、Windows FundamentalsチームのGabe Aul氏はブログで、「アカウントを再びプロビジョニング(準備)するからだ」と説明した。ただし、筆者が複数の環境でアップデートしたところ、一方はメッセージが現れなかったことから、Microsoftアカウントの状態やWindowsストアアプリのインストール具合で変化するようだ。

続けてAul氏はアップデート直後、快適に動作しない点に留意すべきだと述べている。検索インデックスの再構築やOneDriveの同期など、いくつかのアクションが発生するからだ。もっともこれはWindows 10テクニカルプレビューに限った話ではなく、全文検索機能を標準搭載したOSなら常識の部類に入るだろう。Windows Vista以降やiOSも同じだ。もし、お手元の環境でアップデートを行う際は、数分から数時間は待つべきである。

先のブログでは、ビルド9860に関する注意点もいくつか述べているので合わせて紹介しよう。1つめはUIデザインの見直すタスクを一時的に「後方」へ移動したという。端的に捉えれば、開発におけるUIデザインの優先度が下がったことになる。Aul氏は「たとえば無線LANへの参加(に関するUI)が難しいことを把握しているが、後ほど修正する」と語った。

確かに改めて確認すると、チャームバーに無線LANアクセスポイントが並ぶのではなく、「Network(ネットワーク)」の「Connections(接続)」が開く仕組みに変更されている。Aul氏の発言は、この非直感的な操作を指しているのだろう。

Windows 10テクニカルプレビューでは、設定チャームの無線LANアイコンをタップすると「PC settings」の「Network(ネットワーク)」に並ぶ「Connections(接続)」が開く

続けてAul氏は、UIデザインに関して「roughness(荒さ)」と表現する箇所がいくつも存在することを認めた。一例としてInternet Explorerのグリフ(個々の字形)が文字化けし、スタートメニューの項目が表示されなくなるバグが残っているという。こちらはビデオドライバーに依存するらしく、筆者は出くわしていないが、早急に対応するそうだ。

さらにいくつかのマシーンはスリープ状態に戻らない問題や、一部のハードウェアベンダーを用いた外部ディスプレイ使用時に、BSoD(Blue Screen of Death)が発生する問題も把握済み。こちらも改善を目指してWindows 10の開発を続けるという。