消費電力165WのハイエンドGPU

NVIDIAから新GPU「GeForce GTX 980」「同 970」が発表され、同GPUを搭載するグラフィックスカードが発売となった。第2世代の「Maxwell」アーキテクチャを採用したもので、高い電力効率が特徴。従来のハイエンドGPUであるGTX 780 Tiを上回る性能を発揮しながら、消費電力がわずか165Wというのは驚異的だ。

【レビュー】第2世代Maxwellベースの「GeForce GTX 980」を試す - 新旧ハイエンドとの比較で実力を探る
http://news.mynavi.jp/articles/2014/09/19/980/

新GPU「GeForce GTX 980」を搭載するリファレンスカード

ハイエンドGPUながら、補助電源コネクタは6ピン×2個だ

MaxwellアーキテクチャのGPUとしては、すでにGTX 750シリーズがあったが、この第1世代のMaxwellはミッドレンジのGPUだった。第2世代は満を持してハイエンド向けとして登場。CUDAコア数は少なくなっているものの、コアクロックは大幅に向上しており、メモリ容量も3GBから4GBに増えた。

■新旧GPUのスペック比較
GPU GTX 980 GTX 970 GTX 780 Ti
コアクロック 1126/1216MHz 1050/1178MHz 875/928MHz
CUDAコア 2048 1664 2880
メモリ速度 7.0Gbps
搭載メモリ 4GB GDDR5 3GB GDDR5
メモリバス幅 256bit 384bit
消費電力 165W 145W 250W
補助電源 6+6ピン 8+6ピン

今回、発売が確認されたのは以下の各モデル。いずれもリファレンスに準拠した製品となっており、グラフィックス出力はDisplayPort×3、HDMI、DVIの計5ポートを備えている。カードは従来通り2スロット厚だ。

メーカー 製品名 価格
GIGABYTE GV-N980D5-4GD-B 79,000円前後
ZOTAC ZTGTX98-4GD5REF01 735,00円~755,00円前後
玄人志向 GF-GTX980-E4GB 75,500円前後
Inno3D N9801DDNM5DN 73,418円(TSUKUMO eX.)
GALAX GF PGTX980/4GD5 73,480円(BUY MORE)
Palit NE5X980015G2-PG401F 75,039円(ドスパラ)

GIGABYTEの「GV-N980D5-4GD-B」

ZOTACの「ZTGTX98-4GD5REF01」

玄人志向の「GF-GTX980-E4GB」

Inno3Dの「N9801DDNM5DN」

GTX 980の性能はGTX 780 Ti以上とはいえ、その差はそれほど大きくはなく、従来製品を持っているハイエンドユーザーが買い直すかどうかは判断が分かれるところだろう。しかし消費電力の改善が劇的であり、ショップからの期待は高いようだ。

一方、GTX 970の方は、オリジナルVGAクーラーを搭載したオーバークロックモデルがほとんど。消費電力が145Wとさらに小さくなっているのが魅力なのだが、オーバークロックで消費電力が増大しているためか、補助電源コネクタが8ピン+6ピンになっている製品もあるので注意が必要だ。

メーカー 製品名 コアクロック 価格
GIGABYTE GV-N970G1 GAMING-4GD OC(1178/1329MHz) 49,500円前後
MSI GTX 970 GAMING 4G P OC(1140/1279MHz) 47,500円~50,500円前後
ZOTAC ZTGTX97-4GD501 OC(1076/1216MHz) 46,500円~47,500円前後
玄人志向 GF-GTX970-E4GB/OC OC(1126/1266MHz) 47,500円前後
GALAX GF PGTX970-EXOC/4GD5 OC(1126/1266MHz) 46,480円(BUY MORE)
GF PGTX970/4GD5 ノーマル 44,280円(BUY MORE)

GIGABYTEの「GV-N970G1 GAMING-4GD」。3連ファンの「WINDFORCE 3X」を搭載

このモデルは出力端子が多く、DisplayPort×3、HDMI、DVI×2を備える

MSIの「GTX 970 GAMING 4G P」。「Twin Frozr V」を搭載している

GALAX(GALAXYからブランドが変更)の「GF PGTX970-EXOC/4GD5」

ZOTACの「ZTGTX97-4GD501」。他社モデルに比べるとクロックは控え目

クーラーは非常にコンパクト。カード長が約20cmと短いのがポイントだ

超小型のゲーミングベアボーン

GIGABYTEの「BRIX Gaming(GB-BXi5G-760)」は、手のひらサイズの超小型ベアボーンPCながら、GPUとしてGeForce GTX 760をオンボード搭載した製品。本体サイズは59.6×128×115.4mmで、CPUはCore i5-4200Hを搭載。DDR3LのSO-DIMM×2スロット、mSATA×1スロット等を備える。9月27日の発売予定で、価格は10万円を超えるようだ。

超小型ながらゲームもできる「BRIX Gaming」。ただし値段は高め