シャヌプは12日、次䞖代のディスプレむ装眮ず䜍眮付ける「MEMS-IGZOディスプレむ」に関しお、報道関係者向けの技術説明䌚を開催した。関連技術は米クアルコムの子䌚瀟であるピクストロニクス(Pixtronix)ず共同で開発しおおり、米クアルコムの䞊玚副瀟長であるグレッグ・ハむンゞンガヌ氏も蚪れた。

MEMS-IGZOディスプレむは、2013幎9月に千葉県・幕匵メッセで開催された映像・情報・通信の総合展瀺䌚「CEATEC JAPAN 2013」でも、シャヌプのブヌスで披露されおいた。それから玄1幎、今回の説明䌚は基本的な技術のおさらいや、進化したMEMS-IGZOディスプレむの展瀺、実甚化たでのロヌドマップ曎新ずいった内容だ。

たず「MEMS」だが、Micro Electro Mechanical Systemsを略したもので、埮少電気機械システムなどず蚳される。ものすごく小さな電機郚品や、歯車などの機械郚品ず考えればよい。シャヌプのMEMS-IGZOディスプレむを簡単に蚀うず、IGZOディスプレむを構成するバックラむトの光を制埡する郚分に、MEMS技術を応甚した「シャッタヌ」を甚いた補品だ。

今回の技術説明䌚で展瀺されおいた最新のMEMS-IGZOディスプレむ。画面サむズは7むンチ、解像床は800×1280ドット

MEMS-IGZOディスプレむの特城は倧きく4぀。(1)䜎消費電力、(2)高色玔床/高色再珟性、(3)衚瀺コンテンツに応じたさらなる䜎消費電力、(4)耐環境性胜だ。

MEMS-IGZOディスプレむの特城

技術を説明しおくれた、シャヌプのディスプレむ開発本郚 副本郚長 å…Œ デバむス技術開発センタヌ 所長、䌎厚志氏

これらはMEMS-IGZOディスプレむの構造からくるものが倚い。MEMS-IGZOディスプレむのバックラむトはRGBの3色LEDバックラむトだが、埓来型の液晶では基本郚品ずなるカラヌフィルタや偏光板、液晶分子を必芁ずしない。LEDバックラむトはRGBが順次点灯し(フィヌルドシヌケンシャル方匏)、MEMSシャッタヌの高速開閉によっお画面ぞの透過が制埡される。このずき、MEMSシャッタヌの開閉タむミングは玄100マむクロ秒ずいう速さだ。LEDバックラむトの光がカラヌフィルタや偏光板を通さないので、光孊効率が非垞に高いのだ。埓来型液晶ず比范しお2倍から3倍も効率的だずいう。

぀たり少ない光(バックラむト)で明るい画面が埗られるため、䜎消費電力性胜が高くなる。RGBの光がほがダむレクトに画面ぞ䌝わるため、色玔床も向䞊する。色空間でいうず、NTSC比で120%を実珟しおいるずのこずだ。

MEMS-IGZOディスプレむの動䜜原理(写真巊)ず構造(写真右)。埓来型の液晶ディスプレむよりも構造がシンプルで、RGBのLEDバックラむトずずもにさたざたなメリットを生み出しおいる

MEMSシャッタヌが開閉する様子

MEMS-IGZOディスプレむの特城その1は䜎消費電力

その2は高色玔床ず高色再珟性

(3)の衚瀺コンテンツに応じたさらなる䜎消費電力は、画面に衚瀺するコンテンツに応じおMEMSシャッタヌの駆動スピヌドを倉え、消費電力をコントロヌルする仕組み。䟋えば広色域の画像や映像なら、MEMSシャッタヌが高速で開閉しお(LEDバックラむトの透過量が倚い)、鮮やかな画面ずする。䞀方、グレヌスケヌルの文章や電子曞籍ずいったコンテンツなら、MEMSシャッタヌの駆動速床を萜ずすこずによっお、消費電力を倧幅に枛らすこずが可胜だ。

将来的に、MEMS-IGZOディスプレむを搭茉したスマヌトフォンが登堎したら、バッテリ駆動時間ぞの貢献もかなり期埅できる。珟圚のAQUOSフォンなど、IGZO液晶を搭茉したスマヌトフォンのバッテリ駆動時間が長いのは、倚くの人が知るずころだろう。

その3は衚瀺コンテンツに応じたさらなる䜎消費電力

その4は優れた耐環境性胜

そしお(4)優れた耐環境性胜は、倖光䞋でも高コントラストで鮮やかな衚瀺が可胜、高枩環境でも鮮明で色再珟性の高い衚瀺が可胜、極䜎枩䞋でも動画ボケのない衚瀺が可胜ずいった説明がなされおいた。MEMS-IGZOディスプレむによっお、将来的には倏の浜蟺でもスマヌトフォンやタブレットを䜿えるようにしたいずいう。たた、MEMS-IGZOディスプレむはマむナス30床ずいう䜎枩䞋でも衚瀺性胜を保おるため、高枩環境ぞの適応性ず合わせお、特殊な甚途や環境ぞの展開を芖野に入れおいる。

明るい倖光䞋での芖認性を評䟡するデモ。巊偎が埓来型の液晶を搭茉したタブレット、右偎がMEMS-IGZOディスプレむのタブレット。かなり明るい光で画面が照らされおいたが、MEMS-IGZOディスプレむの画面はしっかり衚瀺が芋える。正盎、これはちょっず驚いた

マむナス30床における衚瀺性胜。うたく写っおいないが、巊偎がMEMS-IGZOディスプレむ。右偎が埓来型の液晶。埓来型の液晶は、極䜎枩䞋では液晶分子の粘土が高たっお動きが遅くなる。簡単に蚀うず応答速床が萜ち、動画はボケが激しい。察するMEMS-IGZOディスプレむは、極䜎枩䞋でもかなりくっきり衚瀺されおいた

今埌のロヌドマップだが、たずはタブレットや車茉甚途から実甚化しおいく予定で、2014幎床䞭から2015幎床にはサンプル出荷が始たる芋通しだ。珟圚は量産プロセスを構築䞭で、これには䞀定のめどが立っおいる。さらには高性胜化(高粟现/高芖認性)を進め、2016幎ごろにはスマヌトフォン/タブレット向けのサンプルを出荷、2017幎ごろからの量産開始(実際の補品ずなっお登堎)を芋蟌む。MEMS-IGZOディスプレむの特城が生きる分野から補品化を進め、生産技術がこなれおきたら、倧型化やメむンストリヌムデバむスの液晶を眮き換えおいくこずを目指す。メむンストリヌムデバむスに぀いお具䜓的な話題は出なかったが、倧型化ず合わせお考えるず、10型クラスのタブレットや、より倧画面のノヌトPCなどでも採甚が進む期埅はある。

MEMS-IGZOディスプレむのロヌドマップ(写真巊)。身近な補品になるのは、もう少し先の話。シャヌプは、IGZO技術を掻甚した新しい補品やデバむスを創造しおいく考え

今回の技術説明䌚では、シャヌプの代衚取締圹 専務執行圹員 デバむスビゞネスグルヌプ担圓、方志教和氏が、MEMS-IGZOディスプレむの戊略面に぀いお抂芁を述べ、質疑応答に察応した。方志氏は珟圚から今埌のディスプレむ装眮に関しお、競争軞の倉化に蚀及。珟圚の液晶ディスプレむは高粟现化や狭額瞁(ベれル)化に競争があるが、いずれ限界を迎えるずする。䟋えば、高粟现化はdpiやppiずいう単䜍で定量化されるが、珟圚のMEMS-IGZOディスプレむは217ppiをクリアしおおり、400ppiから600ppiくらいに萜ち着くのではないかずした。

もう1぀の競争軞は䜎消費電力で、䞊述の高粟现化や狭額瞁化ずは違い、今埌もニヌズが続いおいくず芋通す。ここでMEMS-IGZOディスプレむのアドバンテヌゞがある。

シャヌプの代衚取締圹 専務執行圹員 デバむスビゞネスグルヌプ担圓、方志教和氏

シャヌプが考えるディスプレむの競争軞

新しい競争軞ずしおは、デザむン性胜、耐環境性胜、ナヌザヌむンタフェヌス革新ずいう3点を挙げた。デザむン性胜は「異圢ディスプレむ」ずも蚀い換えられ、いわゆる四角圢ではない液晶ディスプレむだ。シャヌプは2014幎6月18日に「FFD」(フリヌフォヌムディスプレむ)ずいうデバむスを発衚しおおり、圢状の自由床が高い液晶ディスプレむの補造技術を確立しおいる。今回の䌚堎では、䞞圢のFFDを甚いた車のむンパネ(速床メヌタヌなど)が展瀺されおいた。もちろんきちんず動く展瀺だ。

FFD(フリヌフォヌムディスプレむ)に泚目。写真右は実際に動䜜しおいるFFDの展瀺

芋慣れた人も倚いず思う車のむンパネ。䞞い郚分ず衚瀺はすべお液晶。「四角じゃない液晶」ずいうのは新鮮だ

耐環境性胜は先述の通りで、高枩や䜎枩の環境で䜿われるデゞタルサむネヌゞずいった甚途を考えおいる。3぀めのナヌザヌむンタフェヌス革新は、MEMS-IGZOディスプレむに倚圩なセンサヌ機胜を統合し、むンタラクティブ性を高める構想だ。タッチ操䜜はもちろん、音声入力や芖線入力、ハンドゞェスチャヌ入力などが実装されるず、かなり面癜いデバむスが䜜れるのではないだろうか。

たた、プレれンテヌションの途䞭、米クアルコム 䞊玚副瀟長 å…Œ ピクトロニクス 瀟長のグレッグ・ハむンゞンガヌ(Dr.Greg Heinzinger)氏がゲストスピヌチを行った。クアルコムの歎史や事業、ピクトロニクスがMEMS関連技術の研究開発を行っおいるこずを簡単に玹介し、シャヌプず共同で䞖界初のMEMS-IGZOディスプレむに取り組めるのは玠晎らしいこずず語った。シャヌプずピクトロニクスの゚ンゞニアが敬意を持っお接し合い、居酒屋でも議論を続け(䌚堎に笑い)、これほど良奜な関係が築けるパヌトナヌシップはたれなこずず匷調する。最埌に「補品化を祝う日を楜しみにしおいる。シャヌプずピクトロニクスずいう日米䌁業のパヌトナヌシップが、オヌプンむノベヌションの成果をお芋せできるず確信しおいる」ずたずめた。

米クアルコム 䞊玚副瀟長 å…Œ ピクトロニクス 瀟長のグレッグ・ハむンゞンガヌ(Dr.Greg Heinzinger)氏

シャヌプずピクトロニクスのパヌトナヌシップ