米Microsoftおよび日本マイクロソフトは、毎月13日前後に月例のWindows更新プログラムを提供している。2014年8月もWindows Updateを通じて配布中だが、適用後のトラブルが続出のもよう。このトラブルに筆者も遭遇したので、現象と回避策を紹介しておく(2014年8月15日時点におけるWindows 8.1 Updateの場合)。
8月の月例Windows Updateの詳細は、別記事『【レポート】マイクロソフト、月例セキュリティ更新(8月) - IEとMedia Centerで2件の「緊急」脆弱性』を参照いただくとして、トラブルの原因となる更新プログラムは、以下の2つである場合がほとんどだ。
・Windows 8 / 8.1は「KB2982791」 ・Windows 7は「KB2982791」と「KB2970228」
まずWindows 8.1 Updateの場合、上記の更新プログラムを適用すると再起動を求められ、この時点での再起動は無事に完了するケースが多い。しかし、次回の再起動(またはシャットダウン後の起動)に失敗する。Windows 7も同様だが、より深刻なブルーバックが発生する場合もあるようだ。
もちろん、更新プログラムを適用しても問題ない環境もある。
2014年8月18日追記 日本マイクロソフトは、同社のセキュリティブログで対応策を公開。概要は別記事『8月のWindows更新プログラム、「問題ない場合でも削除を推奨」 - 日本MS』を参照のこと(追記ここまで)。
更新プログラムをまだ適用していないなら、ひとまず上記の更新プログラムは適用しないほうが無難だ。近いうちに、マイクロソフトから何らかのアナウンスがあると思われる。Windows 8.1 Update環境における、Windows Updateの設定は下図の通り。
もっとも、大半は「更新プログラムを自動的にインストールする(推奨)」という設定だと思うので、トラブルに直面している人も多いのではないだろうか。Windows 8.1 Update環境について、起動しない状態を直す操作の一例を挙げておく。
筆者の環境では、上記の操作でWindows 8.1 Updateが正常に起動するようになった。問題の更新プログラム「KB2982791」は、適用前に戻っている。
システムドライブに対して「システムの復元」を有効にしているなら、上記(図4)のところで「システムの復元」を実行してもよい。「スタートアップ修復」がうまくいかず、「システムの復元」も無効化している場合は、上記(図3)のところで「PCのリフレッシュ」か「PCを初期状態に戻す」を実行するしかないかもしれない。
本稿では未検証だが、Windowsをセーフモードで起動して「KB2982791」をアンインストールするか、特定のシステムファイルを削除または入れ替える方法もあるようだ(筆者のトラブル時はセーフモードでも起動しなかった)。なお、Windows 7の場合は、PCの電源を入れたあとにF8キーを連打して「詳細オプションの選択」を表示させ、このメニューから「コンピューターの修復」を呼び出せる。
今回のトラブルがどの程度のユーザー規模で発生しているかは分からないが、Windowsを自動更新して起動しなくなるのは致命的だ。米Microsoftと日本マイクロソフトには早急な対応を望みたい。