KDDIの田中孝司社長は30日、第1四半期決算発表会において、MNPの獲得状況と新料金プランの影響について、所感を述べた。
近々のMNPによる契約者の獲得状況について聞かれると、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「競争環境という意味では、あまり変わっていない」と回答。ただ、市場全体が縮小傾向にあり、全体の流動数も小さくなりつつあるという。「どの会社からの流出が大きくて、どの会社へ流入しているか、といった割合はあまり変わっていない」と田中氏。春商戦の直後にあたる第1四半期(4-6月期)。MNPの流動数だけでなく、スマートフォンの販売総数自体も「縮小傾向にある」との話だった。
3社が相次いで新料金プランを発表した影響については「あまりない。うちでも、カケホとデジラを発表した。競争環境に影響は出ないと思う」と回答。NTTドコモでは、新料金プランが好評であるとアピールしている。そのことについて聞かれると「ドコモさんの中で、ユーザーさんがプラン変更されているだけではないか」との考えを示した。
決算発表会の終了後、囲み取材が行われた。先日行われたNTTドコモの決算発表会では、加藤薫社長の口から「MNPについて、大幅に改善している」との説明があった。このことについて聞かれると「ドコモさんは、改善していることをアピールしたかったのではないか。うちがMNPの状況について具体的に言ってしまうと、3社の数字が分かってしまう。仁義上、わたしの口からは言えない」と回答。KDDIが引き続き良いということか、と聞かれたが「競争環境は、あまり変わっていないのでは。ただ、MNP市場の規模は縮小傾向にある」とのコメントを繰り返すにとどまった。
現在、KDDIの料金プランは、新旧どちらのプランも申し込める状態にある。これについては今後とも、両プランを継続して提供していく予定なのだろうか。田中氏は「現在、音声通話を頻繁に利用している方が、新料金プランの申し込みに来られている。9月に入らないと、今後の状況は分からない。KDDIとしては、どちらのプランに加入してほしい、という考えはない。若い人は電話しないですからね。でもデータはガンガン使う。かと思えば、電話してデータも使う人もいますけど」と現在の状況を説明。そして新旧の料金プランの継続については「将来、新旧どちらかに契約者が片寄るようなことになれば、どちらかをやめるかも知れない」と回答した。しばらくは旧プランも継続して提供していくものとみられる。
(記事提供: AndroWire編集部)