職場でのソーシャルメディアといえばバイト社員がTwitterに写真などを投稿する問題が問題となったが、正社員の場合はこのような事例は考えにくい。

それでも、職場でのソーシャルメディアは生産性という点で懸念する企業も少なくないようだ。だがプラス効果も認められており、「バランスが大切」とTNWの記事「生産性vs誘惑(原題:Productivity vs. Distraction: Should you block social media at work?)」はまとめている。

ソーシャルメディアが日常生活になくてはならないという人も多いだろう。起きている時間の半分以上を過ごす職場でのソーシャルメディアをどうするべきか。

顧客向けや社内のコミュニケーションツールとして、あるいは雇用にソーシャルメディアを活用する企業は増えているが、一方で就業中に社員のソーシャルメディアへのアクセスを禁じる社員は増えているようだ。

Proskaeurの調査によると、「業務中はソーシャルメディアを遮断」は2012年に29%だったのが、2013年には36%に増えた。「業務中もOK」の企業は53%から43%に減っているという。

だが、ソーシャルメディアを頭ごなしに「悪者」と決めつけるのは早い。英ウォーリック・ビジネス・スクールなど複数の調査により、職場でのソーシャルメディアの利用は生産性とリテンション(人材維持)に好影響を与えていることがわかった。

休憩時間にちょっとFacebookにアクセスすることは、逆に生産性が上がるということのようだ。特に学生時代からソーシャルメディアに慣れている若い社員は、勤務時間に使えないことはおかしいと考えている。ではどうやってソーシャルメディアの利用を許しつつ、生産性を高めてもらうかーー。記事では以下のようなステップを推奨している。

ポリシーを設ける

バランスをとるための最初のステップが、ソーシャルメディア利用について明確なポリシーを設けることだ。途中で状況をみて変更してもよいが、なにが、どのような時にOKで、OKではないのかを明記し、社員全員に周知徹底するように。

社員は会社の代表

企業の大小に関係なく、従業員は会社を代表していることをお忘れなく。これをスタッフにも説明しておこう。また、ポリシーを考える際に、社員のソーシャルメディアでの言動がどのように見えるのかを意識するとよいだろう。

トレーニング

ソーシャルメディアはまだまだ新しい技術であり、従業員それぞれの知識や利用が異なるし、”常識”の範囲も違う。可能であれば、専門家がソーシャルメディアの利用や濫用について従業員や管理職に教えるトレーニングを設けるとよさそうだ。

ソーシャルメディアを社内のコラボに活用

視点を変えて、ソーシャルメディアを社内のコミュニケーションやコラボレーションに積極活用しよう。FacebookやTwitterはもちろん、業務専用のソーシャル・コラボツールも出てきている。上司と部下の関係、他の組織、物理的に離れたところにあるオフィスとのやりとりがスムーズに、効率よくなるという事例はたくさんある。