左は外部ストロボ「600EX-RT」で、右はトランスミッター「ST-E3-RT」を装着した「PowerShot G1 X Mark II」

外部ストロボは非常に便利だが、ボディの天面に装着する使い方だけでは、まだ十分に活用できているとはいえない。さらに自由なライティングを楽しむには、ボディから切り離し、ワイヤレス発光モードで使うといい。

「PowerShot G1 X Mark II」で外部ストロボをワイヤレス発光させるには、オプションのアクセサリー「トランスミッター」を利用する。現行のキヤノン純正トランスミッターには2製品があり、今回使用した外部ストロボ「600EX-RT」の場合は、より高機能で強力な電波通信式トランスミッター「ST-E3-RT」が使用できる。それ以外の外部ストロボの場合は、光通信式のトランスミッター「ST-E2」を用意しよう。

下の2枚の写真は、植物園の温室内で撮影したベゴニアの花だ。特に暗い場所ではなく、ストロボを使わなくてもそれなりに美しく撮れるが、それだけでは少々面白みに欠ける。そこで、左手に外部ストロボを持ち、花の左側面から光を照射して撮ってみた。すると、背景には光が当たらず、黒バックの中に鮮やかな花のみが浮かび上がるような写真になった。

ストロボ非発光で撮影。プログラムAE(F4 1/320秒 ISO400) 原寸大画像を見る

外部ストロボを発光。マニュアル露出(F8 1/400秒 ISO400) 原寸大画像を見る

次の2枚も同じく、ストロボ非発光と外部ストロボ発光を撮り比べたもの。撮影したのは日中の屋外だが、シャッター速度を高速にして絞りを絞り込むことで、背景を暗くすることができた。それと同時に、外部ストロボを花の上方向から当てることで、花びらに陰影を作り、より立体的に見せている。

ストロボ非発光で撮影。プログラムAE(F4 1/320秒 ISO400) 原寸大画像を見る

外部ストロボを発光。マニュアル露出(F8 1/400秒 ISO400) 原寸大画像を見る

これらの写真はすべて、三脚やスタンドは使わずに手持ちで撮影したものだ。花の上または横から光が当たるように、外部ストロボを持った左手を伸ばした上で、トランスミッターを付けたカメラのボディを右手に持って、右手のみでズーミングや撮影の操作を行っている。「PowerShot G1 X Mark II」は、一眼レフに比べると格段に小型軽量のボディなので、片手で構えて片手で無理なくシャッターを切れる。大きくて重いカメラではこうはいかないだろう。

外部ストロボとトランスミッターの組み合わせは、天候に左右されず、自分の狙いに応じて好きな光の状態を作り出せることがメリットだ。花の写真を見た目とはちょっと違った雰囲気で撮りたいときには特にオススメできる。

外部ストロボを発光。マニュアル露出(F8 1/400秒 ISO400) 原寸大画像を見る

外部ストロボを発光。マニュアル露出(F8 1/400秒 ISO400) 原寸大画像を見る

外部ストロボを発光。マニュアル露出(F8 1/400秒 ISO400) 原寸大画像を見る

「PowerShot G1 X Mark II」長期試用リポートは今回で終わりです。次回からは「EOS M2」長期試用リポートがスタートします。