続いて、Samsung SSD 850 PROをはじめとする新型SSDに関するプレゼンテーションから、速度面や耐久性、新機能にまつわる部分をピックアップする。新型SSDをプレゼンテーションしたのは、韓国サムスン電子のAmerica & Africa Regional Sales-Brand Product Marketing Team Manager、Doh Young Jeong氏だ。
Doh Young Jeong氏はSamsungのSSD事業と歩みに触れたあと、SSDをより発展させるために、より高速、より高い耐久性、より高い信頼性、優れた電力管理が必要と述べ、「The New Breed of Performance」(直訳すると「新たなパフォーマンスの血統」)としてSamsung SSD 850 PROを語り始めた。この「The New Breed of Performance」は、今回の2014 Samsung SSD Global Summitにおける全体のテーマにもなっている。
プレゼンテーションはSamsung SSD 840 PROとの比較が多く、上記の発展要素に沿ったかたちで、実際のベンチマーク結果を交えながら進んだ。以降、プレゼンテーションのスライドで紹介しよう。
Samsung SSD 840 PROとSamsung SSD 850 PROの主な違い。NANDフラッシュとコントローラが新しくなり、容量のラインナップで1TBモデルが増えたことに伴い、DRAMキャッシュの容量も最大1GBとなった |
最大シーケンシャル速度。128GBモデルのシーケンシャルライト速度が20%ほど向上しており、他の容量に比べて伸び幅が大きい |
4Kランダムリード/ライドの速度。縦軸の単位は「1,000IOPS」、横軸は「QD」(Queue Depth)。QDは同時に発行される読み書き命令の数で、主にNCQ(Native Command Queuing)の性能指標に使われる |
SSDにおいては、耐久性と信頼性を重視して選ぶ人も多いだろう。NANDフラッシュメモリは書き換え回数に寿命があり、書き換え回数を減らす設定などが広く知られている(実際は、特殊な使い方をしなければ自然に寿命を迎えることはまずない)。
Samsung SSD 850 PROの3D V-NANDフラッシュメモリは耐久性が非常に高く、TBW(Total Byte Written)は150TB、デイリーワークロードは40GB、保証は10年となっている。1日に40GBの書き換えを行っても、10年の保証があるということだ。
Samsungのラボが行っているテストでは、Samsung SSD 840 PROの寿命は書き換え容量が3PBだ(1日に40GBの書き換えなら200年)。Samsung SSD 850 PROのテストは継続中だが、7月1日の時点では1.3TBを記録している |
機能面の進化としては、PCのメインメモリをキャッシュに用いて速度アップを図る「RAPID Mode」が、「2.0」になった。従来は、キャッシュ割り当て可能なメモリ容量が最大1GBだったが、PCに搭載しているメモリの最大25%をキャッシュに使える。なおRAPID Modeは、Samsung SSD用のユーティリティソフト「Magician」から利用する機能だ。