会議を抜本的に改革するShare Anytime for Biz

株式会社MetaMoJi 代表取締役社長 浮川和宣氏

3人目のゲストとして登壇した浮川和宣氏が代表取締役社長を務めるMetaMoJiは、手書き文字認識IME「mazec」をはじめ、手書きワープロ「7notes」や手書きデジタルノート「Note Anytime」などのスマートデバイス向けのアプリケーションを開発・提供しているソフトウェアベンダーである。

「私は、30年以上も前から、ドキュメントの“同時複数人編集”を研究テーマとして持っていました。それを実現した企業向けアプリが、グループコミュニケーションツールの『Share Anytime for Biz』です」(浮川氏)

Share Anytime for Bizは、ペーパーレス会議を実現するソリューションの1つではあるが、一般的な“会議の際に資料を配布する”ことを実現するシステムではなく、「会議=文書」として捉えて文書編集をベースとし、発言者や参加者、進行役、事務局員などのさまざまな役割を手助けする会議支援システムである。

浮川氏は、実際にShare Anytime for Bizを使って今回の講演を行い、講演資料にiPadからマークしたり、メモを付け足したりして、何ができるのかという点を中心に紹介を行った。講演の途中では、MetaMoJiのスタッフも参加して同時にメモを書いたり、新しいExcelの資料を追加したりするデモンストレーションも行われた。

一般的なペーパーレス会議システムは、資料を電子化して配布するだけで、会議そのものを変えるものではない。Share Anytime for Bizは、ペーパーレスを実現すると共に、会議の参加者が同時に文書に書き込むというスタイルを提案し、そのコメントも議事録として残せるという新しい会議を実現するソリューションである。

「企画会議などでは、全員の意見を収集して記録することで、議論の活性化と効果の最大化が見込めます。工事現場などでは、写真で現場の状況を正しく本部に伝え、テキストで的確で確実な指示を与えることができます。会議の途中で抜けても、移動中に続きを共有することが可能です」(浮川氏)

例えば、英国Scandataでは、Share Anytimeを活用してフィールドエンジニアとのコラボレーションを実現しているという。

課題は、Share Anytimeで生成された会議文書をどこに格納するかという点だ。特に秘匿性の高い会議の場合、データをパブリッククラウドに預けるのは問題がある。Share AnytimeはCloudianと連携できるため、オンプレミス環境にオブジェクトストレージを構築することで、大量に生成されるコメントやメモのデータ、共有した写真や動画などを安全に管理することができる。

Share Anytime 事例紹介 Jan,2014

日本発エコシステムを強化し便利で欠かすことのできないストレージへ

クラウディアン株式会社 経営企画室長 本橋信也氏

最後のセッションでは、経営企画室長の本橋信也氏が閉会の挨拶として、今回のセミナーとクラウディアンの今後の展開についてまとめた。

本橋氏は、“第3のプラットフォーム”が世に浸透していく中で、オブジェクトストレージが新しいトレンドとして注目されており、ビジネスそのものとして重要度の高まるIT基盤においては、分散ストレージが必須の要素となっていると、本日の講演のキーメッセージを振り返った。実際、Cloudianのオブジェクトストレージを活用した革新的なアプリケーションやサービスが次々に登場しており、現実のものとなってきている。

こうした市場背景を反映し、クラウディアンは、事業を3次元に拡大していきたいとする。つまり、日本市場で生み育てたCloudianを積極的に「グローバル市場」に展開すること、ハードウェア・アプライアンスやミニサーバなどの「エンタープライズ市場」向けの製品を強化すること、そして特に日本発のアプリケーション/サービスを含んだ「エコシステム」を充実させることの3つである。

Cloudianの今後の展開

本橋氏は、「『オブジェクトストレージ/分散ストレージと言えばCloudian』と呼ばれるほど世界中に認知され、企業ITに欠かすことのできないストレージシステムとして、手軽かつ便利に利用できる製品に進化させたい」と抱負を語り、今回のセミナーを締めくくった。