サッカーマニア注目、8Kならではのカメラワークは?

筆者にとってのもう一つの注目点、カメラワークについては事前に期待しすぎたのかもしれない。率直にいうと、"8Kならでは感"はとくになく、これまでの放送映像と大差のない内容であった。

筆者が期待していたのは、DFラインからFWまでフィールドの選手10人(相手も入れて20人)の動きを一つの画面で観られるような「引き」の映像だ。もちろん、迫力を味わえる「寄り」の映像もエキサイティングで面白い。だが、8Kの精細感であれば、フィールド選手すべてが30mの幅に収まるといわれるモダンサッカーのピッチ全体を俯瞰して、試合を楽しむことも十分に可能ではないだろうか。

W杯の8K撮影はまだ続く。マニアックな要望かもしれないが、残りの試合では、ボールの周囲だけでなく、引きの映像でボールと逆サイドのポジショニングや最前線の駆け引きを観るような映し方にも、ぜひトライしていただきたい。また、晴天のデーゲームで8Kの実力をいかんなく発揮した映像も堪能してみたいものだ。

なお、8Kパブリックビューイングの各会場では7月14日まで録画上映も行っている。事前申し込み不要で入場無料なので、興味のある方は体験してみてはいかがだろうか。録画上映の日程は、NHKのイベント情報ページから確認できる。