ソフトバンクモバイルは7日、国内の音声通話が定額になる新料金プラン「スマ放題」を7月1日より提供することを発表した。同プランは、NTTドコモが6月より提供している新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」とほぼ同等のプランとなっており、さらに余ったデータ通信量を翌月に繰り越せる独自のサービスなども用意している。

本稿では、スマ放題の概要をあらためておさらいするとともに、ドコモの新料金プランとの違いを解説していきたい。

国内の音声通話が定額で通話し放題に

まずは、ソフトバンクの新料金プラン、スマ放題の概要を見てみよう。スマ放題は、音声通話部分の「基本プラン」、データ通信部分の「データ定額パック」、ISP使用料という3つから構成される。

基本プランの月額料金は、スマートフォン向けが月額2,700円(以下、金額はすべて税抜)、フィーチャーフォン向けが月額2,200円で、これらの料金によって国内の音声通話が通話時間、回数、相手先を問わず通話し放題となる。また、データ通信専用のタブレット向けの基本プランは月額1,700円。

データ定額パックは、データ通信の利用状況や用途に合わせて、複数のプランから選択でき、スマートフォン向けには6つのプランが用意されている。月間で利用できるデータ通信量に応じて料金が異なり、2GBまでが月額3,500円、5GBまでが月額5,000円、10GBまでが月額9,500円、15GBまでが月額12,500円、20GBまでが月額16,000円、30GBまでが月額22,500円。既存のパケット定額サービスの上限が7GBなので、同等の5GBまたは10GBであれば安心だ。なお、データ通信量が超過した場合は、通信速度が送受信最大128kbpsに制限される。また、1GBごとに1,000円払うことで、通常速度で通信を行える。

これらの基本プラン、データ定額パックに加えて、ISP使用料として「S!ベーシックパック・ウェブ基本使用料」の月額300円が必要になる。

ここまでの基本的な料金体系は、プラン名こそ異なるものの、内容はドコモのカケホーダイと同様だ。さらに、次に紹介する、データ通信量を家族間で分け合える「家族データシェア」もドコモと同様のオプションサービスとなっている。

家族でデータ量を分け合うことも可能

家族データシェアは、代表回線が契約しているデータ定額パックのデータ通信量を家族で分け合えるオプションサービスだ。対象となるのは、月間10GB、15GB、20GB、30GBまでのデータ定額パックプラン。なお、シェアオプション月額使用料として、子回線1回線あたり月額500円がかかる。また、代表回線から購入できる追加購入データ量もシェア対象となる。

さらにスマ放題では、25歳以下のユーザーを対象とした「U25ボーナス」という割引サービスも提供される。こちらもドコモ同様の割引サービスとなっており、25歳以下のユーザーは基本使用料が毎月500円割引され、さらに特典としてデータ通信量が毎月1GB付加される。割引、特典が適用されるのは、26歳の誕生月までとなっている。

データ量を繰り越せるのは「スマ放題」だけ

ドコモの料金プランには無いサービスとして、ソフトバンクのスマ放題のみで提供されるのが、余ったデータ通信量を翌月に繰り越せる「データくりこし」だ。対象となるのは、月間5GB、10GB、15GB、20GB、30GBまでのデータ定額パックプラン。100MB単位で繰り越しが可能で、追加購入したデータも繰り越しの対象となる。

繰り越したデータの有効期限は翌請求月末まで。また、繰り越し分は、各データ定額パックの通信量上限を超過した時に利用可能。なお、データくりこしは、家族データシェアおよびU25ボーナスとは併用できない。

余ったデータ通信量を翌月に繰り越すことができ、通信量上限の超過時に繰り越したデータを利用できるため、速度制限を受けることなく、効率よくデータ通信量を活用できるのが同サービスの特長と言える。

また、家族データシェアなどとの併用ができないことから、おもに単身者ユーザー向けのサービスとなっており、ドコモの新料金プランにメリットを見い出しづらかった単身者ユーザーにとっても、スマ放題は魅力的に映るかもしれない。

このほかスマ放題では、回線数に応じて各データ定額パックの月額料金が2年間割引される割引サービス「家族おトク割」も提供される。同サービスは、家族データシェア、U25ボーナスとの併用はできないが、各データ定額パックに応じて毎月300円~3,000円が割引される。

3,000円のキャッシュバックキャンペーンも実施

ソフトバンクでは、スマ放題の開始を記念して、3,000円(税込)をキャッシュバックする「スマ放題スタートキャンペーン」を実施している。6月30日までのキャンペーン期間中に対象機種を新規契約または機種変更で購入した上、6月26日以降にMy SoftBankまたはお電話、7月1日以降にソフトバンク取り扱い店舗にてスマ放題に申し込んだユーザーが対象となる。

対象機種はiPhone、SoftBankスマートフォン、SoftBank 3G携帯電話で、ディズニー・モバイル・オン・ソフトバンクも対象となる。また、キャッシュバックは携帯電話の利用料金から3,000円を割り引く形で実施され、8月17日時点でスマ放題に加入していることが条件となる。

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ソフトバンクが7月1日より提供する新料金プランのスマ放題は、国内の音声通話を定額で利用できる点が最大の特長だ。音声通話をよく利用する人にとっては最適なプランと言える。また、家族でご利用の方は、「家族おトク割」でよりお得になる。

スマ放題は、音声通話定額を先行して導入したドコモの新料金プランとほぼ同等の内容となっているが、余ったデータ通信量を翌月に繰り越せるのはドコモには無いサービスであり、効率よくデータ通信量を活用できる点が魅力だ。3,000円のキャッシュバックキャンペーンも実施されているので、この機会に新料金プランをチェックし、自身や家族の使い方に合った組み合わせを検討してみてはいかがだろうか。