マイナビニュースは4月24日(木)、ベルサール新宿グランド(東京都新宿区)にてビッグデータの利活用をテーマとしたセミナー「勝つためのビッグデータ ~経営の武器となる現実的なデータ活用とは~」(協賛: Talend株式会社)を開催する。このセミナーには、基調講演者としてヤフーの"爆速経営"をシステムやマーケティングの側面から支えるキーマン 村田剛氏が登壇する予定だ。本稿では、データの活用に頭を悩ます企業にとって有用な同氏の講演内容をいち早くお届けしよう。

プロフィール

ヤフー株式会社 システム統括本部 データソリューション本部
マーケットソリューション部 部長 村田 剛氏

2009年ヤフー株式会社に入社後、一貫してデータソリューションに従事。

2012年7月 マーケットソリューション開発部 部長に着任。広告主に対しデータサイエンス視点での課題提案を総合的にサポート。

2013年10月よりDMP責任者に着任。データを「どう使うか」について造詣が深い。

ゼロから1を生み出す - DMPが果たす役割

スマートデバイスの急速な普及を背景に、急ピッチでサイトやサービスの改革を進めているヤフー。インターネット黎明期からサービスを展開する同社は、検索やニュース、オークション、ショッピングなど、サービスを多角的に展開する中で、膨大なビッグデータを有するようになった。そんな同社はいま、このような蓄積されたデータを活用し、事業に対する効果を生み出し始めている。そのカギとなるのがDMP(Data Management Platform)である。

「DMP」と聞いても、まだピンと来ない人が多いかもしれないが、DMPは今後のIT業界におけるビッグワードになりつつある状況だ。実は、すでに一般に広く知れ渡っている「ビッグデータ」は、このDMPの存在なくして生かされることはない。

ビッグデータ自体はあくまで"データ"であり、DMP自体はそのデータをうまく管理する"ハコ"の役割を担う。その"ハコ"を用いて新たな「気づき」や「価値」を生み出すのは、"人"である。村田氏は、DMPの果たす役割について、"人"が「ゼロから1を生み出す」ための手助けをするものと説明している。

多くの企業は、当然ながら顧客データを有し、データの「活用」を実践しているが、DMPという観点では、「自社内での活用だけでなく、サードパーティのデータをいかに取り入れて、自社のデータだけでは解決できない課題に応用できるかがポイントとなる」(村田氏)という。

A/Bテストの繰り返しの「仕組み化」が重要

ビッグデータの要素は「Volume(量)」「Velocity(速度)」「Variety(多様性)」という3つに分類されるが、ヤフーではこれらを「Value(価値)」に転換するための施策を"爆速"で進めているところだ。その方法について村田氏は、「とにかくA/Bテストを何度も繰り返し、とにかくPDCAサイクルを数多く適用することが重要」としている。机上でうなりながら考えを巡らすことも必要かもしれないが、「時には"とにかく100本やってみよう!!"といった大ざっぱな目標を設定して、徹底的にトライ&エラーを繰り返すことも必要です」(村田氏)。

つまり、日本国内の"インターネットの巨人"であるヤフーといえども、地道な施策の積み重ねで改善を繰り返しているわけだ。村田氏は、「ゼロから1を生み出すのがDMPだとしたら、"1から10を生み出す"のがA/Bテストの役割です」とし、これを"仕組み"として業務のワークフローに組み込み、組織的に実行できるかどうかが成功のカギを握ると指摘している。

セミナー「勝つためのビッグデータ ~経営の武器となる現実的なデータ活用とは~」開催当日は、最新の状況を踏まえながら上記内容の具体的な解説が村田氏によって行われるほか、このような施策を実現するための環境・体制づくりといったマネジメントの領域にまで踏み込んだ内容が展開される予定だ。企業のマーケティング担当者には、ぜひ会場に足を運んでいただきたい。