Cintiq Companionでは「線画が快適に描ける」

セルシスのソフト「CLIP STUDIO PAINT」を使って、現在連載中の漫画「心霊探偵八雲」の主人公・斉藤八雲のイラストを描いてみました。まずはザッとラフから。イラストに関してはラフから液晶ペンタブレットで描いていますが、描き心地は今まで使っていたものと変わりなく、とても描きやすかったです。

普段は「Cintiq 24HD」の大きい画面で描いているので、13型だとちょっと小さいかも……と思っていましたが ドットピッチが「Cintiq 24HD」と比べて細かいため全然気になりませんでした。 むしろ、線画については「Cintiq Companion」の方が快適に描けました。

漫画「心霊探偵八雲」の主人公・斉藤八雲のイラストを、ラフからCintiq Companion上で描く

そのほか、線画作業で快適になった例として、漫画のペン入れ作業があります。漫画の原稿は「Comic Studio」を使い、解像度600dpiで制作しています。アップのコマなどを25%表示のままでペン入れした際、拡大して見ると下描きから清書の線がはみ出していることが多くあります。

一方、Cintiq Companionでは25%表示のままペン入れしても、拡大した際にもはみ出すことはなく、きれいにペン入れできており、よりアナログの感覚に近い状態で作業できるようになったと思います。加えて、普段使っているPC(CPU:Intel Core i7-2600 CPU@3.40GHz/メモリ:16GB)よりもスペックが高いので(笑)、描画や保存の際も重いと感じることなく、サクサク作業を進められました。

漫画のペン入れに関して、メイン機の「Cintiq 24HD」よりも快適に行えた

イラスト描画の主力機として十分なスペック

Windows 8に慣れていなかったのでセッティングなどには時間がかかりましたが、作業時間自体は仕事場で行うのと変化ありませんでした。イラスト描画の作業であれば、メイン機として使っても大丈夫じゃないかなと思いました。

「心霊探偵八雲」のイラスト描画の様子

イラストに限定したのは、漫画原稿の作業の際には素材パレットなども表示させないといけないので、画面がちょっと狭く感じたというところがあります。ただ、持ち運びできるサイズがこの製品の最大の利点なので、ここはトレードオフと言えるでしょう。

「心霊探偵八雲」のイラスト描画の際のスクリーンショット

ごろ寝でイラスト描画も可能!

また、本体価格のことですが、Windows 8版はAndroid版に比べるとお値段が多少張るのがネックですが、機能としてはパソコン本体+液晶ペンタブレットと言えるので、そう考えると決して高くはないと思います。 私は外出先で使用するために購入しましたが、メインのPCのサブ機として家で使うのもよいと思います。

完成したイラスト

バッテリ駆動が可能なので、ソファでくつろぎながらイラストを描くこともできる

最後になりますが、以前からベットやソファでゴロゴロしながら落書きできたら素敵だなあと思っていたので、「Cintiq Companion」がその夢を実現させてくれたのには感動しました。フル充電で最大5時間稼働し、膝の上に載せても苦にならない重さなので、スケッチブックみたいな感覚で使えています。画面を回転させて縦方向で使えるので、縦位置の構図のイラストを描くときはもちろん、漫画制作で広く画面を使いたい時にも使えそうです。



あすかコミックスDX
「心霊探偵八雲」(1)~(11)(以下続刊)
月刊ASUKAにて好評連載中

原作:神永学 作画:小田すずか
発行:株式会社KADOKAWA
編集:角川書店