Merrifieldは、64bitモードを持ち、今後登場するであろう、64bit版のAndroidにもすぐ対応できる。ただし、ARM系プロセッサも64bit化をすすめているため、インテルの独壇場というわけでもない。しかし、これにより、ハードウェア的には、64bit対応が行われ、あとは、ソフトウェア側の対応を待つばかりになったといえるだろう。

なお、今年後半には、かねての計画通りに4コア版Merrifieldとでもいう「Moorefield」が登場予定だ。

このMerrifield/Moorefield用には、LTEモデムチップXMM7260が用意される。こちらはLTEカテゴリ6に属する製品で最大300Mbpsの通信が可能なものだ。また、LTEや3Gは、各国でさまざまな周波数帯が使われていて、さらに複数の周波数帯を同時に使うことで速度を向上させるCarrier Aggregationが行われており、その組み合わせは膨大なものになる。XMM7260は、30以上の周波数帯に対応し、そのうち22を同時に利用できるという。

今年の第2四半期に登場予定のXMM 7260は、最大300Mbpsの通信に対応する LTEチップ

XMM7260は、周波数分割(FDD)と時分割(TDD)の両方式のLTEに対応し、30以上の周波数帯(バンド)に対応するという

こうした製品を使うメーカーとインテルは、複数年にわたるパートナー契約を結んだ。具体的にはASUSやDELL、Lenovo社といった従来スマートフォンを出荷したメーカーに加え、今回中国の製造受託企業であるFOXCONNが加わった。FOXCONNは、インテルのリファレンス設計に基づいた製品を作り、これを多くの企業に提供できる。また、すでにFOXCONNで製造を行っているメーカーも「Virtual Partner」として加わることになった

インテルのスマートフォン向けプロセッサは、かつてMoorestown世代でいくつかの企業によるコミットがあったが、製品出荷に至らず、Medfieldで製品採用が行われ、Clover Trail+で作られたスマートフォンも登場した。

今回のパートナー契約がうまくいけば、インテルのスマートフォン向けプロセッサの市場シェア向上につながる可能性がある。

スマートフォンやタブレットでパートナー契約を結んだのはASUS、DELL、Lenovoといった既存の企業と製造を受託するFOXCONN。いずれも複数年の契約だという

インテルのスマートフォン向けのプロセッサのロートマップ。今年末には14nmプロセスで製造されるCherry Trailが登場予定

なお、今年後半には、3Gモデムを内蔵したSOFIA3Gが市場に投入され、新興国市場に参入する予定だという。また、来年には、LTEモデム内蔵のSOFIA LTEも登場する予定だ。

インテルは、巻き返しのために、Atom系列のプロセッサの製造プロセスを短期間で最新プロセスにまで進める計画を持っている。今年末には、14nmプロセスのCherryfieldの出荷が始まるという。

(記事提供:AndroWire編集部)