ファイルの断片化は避けられない
PCを使い込んでいくと、遅くなったと感じることがあるだろう。その原因の1つにファイルの断片化(フラグメンテーションとも呼ぶ)がある。ファイルを削除していくうちに空き領域が不連続に発生していく。不連続な状態であっても、OSは空き領域を作らずにファイルを書き込む。結果的に、図1のようにfile 1が3箇所に書き込まれるようになる。
この仕組み自体は、HDDを効率的に使うためのもので、正しい動作といえる。しかし、ここで大きな問題が発生する。この例でいけば、file 1を読み出すために3回のディスクI/Oが必要になる(矢印の部分)。3回くらいならば、パフォーマンスにはさほど影響はない。しかし、これが100を超えると、状況によっては1つのファイルを読み出す際に遅さを感じるようになる。当然、CPUなどのリソース消費も大きくなる。また、HDD内部では、ヘッドの移動が頻繁になり、消耗などが発生しやすい。ひいては、故障などの原因にもなりかねない。
そこで、定期的に発生した断片化を解消することになる。これをデフラグ(デフラグメンテーション、最適化などとも呼ぶ)といい、Windowsでは標準でデフラグツールが付属している。
本稿で紹介するのは、この標準ツールに代わるものだ。
PowerX PerfectDisk 13 Proを使ってみる
PowerX PerfectDisk 13 Pro(以下、PerfectDisk 13と略記)は、ネットジャパンより販売されるデフラグツールである。価格は、ダウンロード版は4,000円、パッケージ版は5,200円となっている(パッケージ版は1月23日発売)。システム要件は、特に厳しいものはない。インストールするOSがきちんと動く環境があれば十分だろう。PerfectDisk 13では、正式にWindows 8/8.1にも対応した。
インストール後、初回の起動では、HDDの分析が行われる。
その分析によってデフラグ方法が自動的に決定される。PerfectDisk 13では、HDDに対しては4種類のデフラグ方法がある。
- SMARTPlacementによる最適化
- デフラグのみ
- 空き領域の結合
- システムファイルのデフラグ
標準ツールでは、デフラグのみしかない。それ以外が、PerfectDisk 13の固有のデフラグ方式である。特に強力なのがSMARTPlacement機能である。
SMARTPlacement機能である。書き換え頻度の高いファイルは、空き領域の付近に配置することで、断片化の発生を防ぐ。逆にシステムファイルなど変更されにくいファイルは、HDDの先頭に配置し、読み出しが高速になるようにする。したがって、PerfcetDisk 13でデフラグを繰り返すと、よりデフラグ時間も短縮されるようになる。
また、空き領域の結合であるが、これも断片化を発生させない効果が期待できる。図1のように断片化が発生するのは、HDDに空き領域が多数存在してしまうことが原因となる。ファイルのデフラグを行う機能はあっても、空き領域を結合する機能までを持つデフラグツールは少ない。こちらもPerfectDiskの特徴的な機能といってよい。
そして、ページファイルやMFTなどのシステムファイルもデフラグ可能である。これも標準ツールなどにはない機能である。
最後にSSDのデフラグについても紹介しよう。SSDには書き込み制限が存在し、HDDのように書き換えを行うと、寿命が縮まってしまう。そこで、PerfectDisk 13ではSSDに対しては、空き領域を結合し最大化し、ファイルの書き込み効率が向上するように配置する。
左上の[開始]でデフラグの開始となる。初回は非常に時間がかかる。[自動シャットダウン]をクリックすると、デフラグが完了した際にシャットダウンが行われる。時間がかかりそうな場合は、設定したい。デフラグ中でも設定可能である。デフラグが完了した状態が、図5である。
先頭に起動か関連するシステムファイルが並び、その後、書き換え頻度の少ないファイルが並ぶ。断片数も2以下となった。PerfectDisk 13では、デフラグ時間が最大で20%向上したとのことだ。残念ながら、デフラグは同じ環境ということはありえないので、体感するのは難しいだろう。