好学出版、NTTラーニングシステムズ、大日本印刷の3社は共同で、テキストの紙面をスマートフォンまたはタブレット端末で撮影すると、動画による解説を閲覧できる学習塾向け教材の実証実験を開始したと発表した。動画コンテンツの配信は2015年3月までを予定している。

教育業界ではICTを活用して学習効果の向上や業務の効率化を図る取り組みが進んでいるが、企業が単独で動画コンテンツの制作や配信システムの構築などを行う場合、作業負荷やコスト負担が大きくなることが課題となっているという。

この課題に対して、学習塾向け教材を出版する好学出版と、スマートフォンなどで印刷物を撮影すると関連するデジタルコンテンツを表示させるサービス「シラベテ」を提供するNTTラーニングシステムズ、印刷物やデジタルコンテンツの制作を行うDNPは、テキストブックの紙面をスマートフォンやタブレット端末で撮影すると解説用動画コンテンツが閲覧できる教材の実証実験を行うことにした。

今回開発した教材は、入試基礎・完成シリーズ「関数・図形の基礎」「数学 大問1の完成」で、紙面だけでは理解しづらい数学の作図問題を動画で解説。スマートフォンまたはタブレット端末でアプリを起動してテキストブックの問題を撮影すると、作図の実演などの動画が表示され、問題を分かりやすく解説する。学習塾向けの汎用教材と連携して動画コンテンツを提供するサービスは国内で初だという。

スマートフォンまたはタブレット端末でアプリを起動してテキストブックの問題を撮影すると、作図の実演などの動画が表示され、問題を分かりやすく解説

本教材に対する学習塾からのフィードバックをもとに、3社は今後の本格展開に向けた検討を進め、好学出版は複数教科の教材へのラインナップ拡充、NTTラーニングシステムズは学習塾の要望に合わせたシラベテの最適化について検討していく。また、DNPは、今回の実証実験を通して、コンテンツへのアクセス状況を分析し、その結果から学習効果向上につながるコンテンツの制作や提供する仕組みの検討および開発を行っていくという。

そして3社は2015年度までに、本サービスの本格運用開始を目指す。また、本サービスの導入により、入試基礎・完成シリーズ「関数・図形の基礎」「数学 大問1の完成」の販売部数の300%アップを目指すとともに、他教科へのサービス拡大や通年教材でのサービス開始を目指していく。