米Googleの子会社であるMotorola Mobilityが申請中の特許が話題になっている。「Electronic Skin Tattoo (電子スキンタトゥー)」と呼ばれる装置は喉付近の肌や衣服に貼付することでスマートフォン等の補助マイクとして機能するほか、電気信号から嘘発見器の役割を果たすなど、ウェアラブルデバイスの新しい形の1つとして注目を集めそうだ。
同件はEngadgetやTechCrunchが報じている。申請特許の名称は「COUPLING AN ELECTRONIC SKIN TATTOO TO A MOBILE COMMUNICATION DEVICE」で、申請日は2012年5月3日、今年2013年11月7日の公開となっている。同特許のポイントの1つは電子タトゥー(シール)の中にプロセッサ、電源装置(バッテリ含む)、アンテナ、マイク、センサー、ディスプレイまで、マイクロコンピュータと呼べる仕組みがすべて含まれている点にある。これによりセンサー情報の取得と処理、通信から電源供給まで、すべてシール内で完結している。
前述のように喉付近に貼付することで補助マイクとして機能し、通常の音声信号のほか、接続先となるスマートフォンなどのモバイルデバイスがマイク信号をノイズの少ないよりクリアな音声として認識するための仕組みとして利用される。通信手段としてはNFC (Near Field Communication)とBluetooth、Zigbeeなどが想定されており、NFCは主にデバイス同士のペアリング、後者は音声信号送信やセンサー情報送信などを想定していると思われる。またNFCの通信範囲内にある場合、パッシブタグのようにアンテナへの誘導電力でデバイスが起動し、さらにバッテリへの充電機構が作用する旨も記載されている。ただし装置のシンプル化のために充電機構を省略することも想定しているとの付記がある。センサーの組み合わせでマイクとしての機能だけでなく、嘘発見器のような機能も想定しているとあるように、現在センサー機構を取り込んだ薄型回路形成技術がさまざまな形で研究されており、今後ウェアラブルデバイスの新しい形としてセンサー拡張は注目分野の1つとなるはずだ。
(記事提供: AndroWire編集部)