日本AMDは10日、協賛各社とともに「Radeon R9/R7×BATTLEFIELD 4 発売記念体験会」を東京・秋葉原のUDXで開催した。イベントではRadeon R9/R7シリーズとBATTLEFIELD 4の紹介とRadeon R9シリーズ搭載マシンによるデモプレイが行われた。このイベントの模様をお伝えしたい。
Mantle対応のRadeon R9/R7と「Mantle」対応第一弾のBATTLEFIELD 4
Radeon R9/R7シリーズはAMDが9月にラインナップの発表を行った最新GPU。従来のRadeon HD 7000シリーズと同様にGCNをベースとするが、AMDが新たに提唱するグラフィックAPI「Mantle」と、一部モデルで音響技術「TRUEAUDIO」に対応する。従来モデルと比較してスペックに対して価格を引き下げており、コストパフォーマンスの高い製品群となっている。
一方、7日に日本語版を発売したエレクトロニック・アーツ(以下、EA)のBATTLEFIELD 4は、年末までにMantleに対応したバージョンを追加リリースする予定となっている。今回はこのような背景からRadeon x BATTLEFIELD 4のコラボイベントとして体験会を開催した。なお、マイナビニュースでは、Radeon R9/R7シリーズに関する解説やベンチマークテストを実行しているので、ぜひ参照してほしい。
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開場後、まずステージに上がったのは日本AMD マーケティング本部 コンシューママーケティング部 マーケティングスペシャリストの井戸川淳氏。イベントの趣旨を説明したのち発売されたばかりのRadeon R9/同R7のラインナップとその概要を紹介した。
従来とネーミングが一新されたRadeon R9/R7。(従来のRadeon HD 7000シリーズと同じ)「GCNベースだけどリネームじゃなくってちゃんと新しいフィーチャーがあります」と井戸川氏 |
Mantleはアプリケーション側からGPUをより細かく使うことができるAPI |
新製品の中でもR9 280XはBATTLEFIELD 4が要求する3GBのメモリを搭載しており、高いパフォーマンスが実現できるという |
複数モニターが利用できるEYEFINITYはDisplayPortを使わずとも任意の出力端子の組み合わせで3x1構成が可能になったのが特徴だ |
こちらが現在のR9/R7のラインナップ。R9シリーズは同等のスペックの従来モデルと比べて価格をかなり引き下げていながら、2倍以上のパフォーマンスを実現する。R7シリーズはエントリPCのCPUパワーを補うGPU性能を提供するという |
常に進化する"LEVOLUTION"を体現するBATTLEFIELD 4
次にエレクトロニック・アーツ マーケティング部プロダクトマネージャーの厚地 陽子氏がEAのシュータージャンルを代表する最新作「BATTLEFIELD 4」の概要を説明した。
BATTLEFIELD 4を制作するスウェーデンのディベロッパー「DICE」には"LEVOLUTION"というコンセプトがある。
これはLevelとREVOLUTIONを掛け合わせた造語で、超高層ビルを破壊して瓦礫の山を作るといった大きなアクションを起こしたり、敵の車をバリケードで妨害するなど小さなアクションによって地形やマップを変化すること。それに伴って変化する戦術のようにプレイヤーの自由度を格段に進化させ、さらにゲームプレイそのものも変えるという考えだ。
また、以下のようなキーワードでBATTLEFIELD 4を説明し、常に進化し続けるゲームであることをアピールした。
DICEはスウェーデンにあるEAの子会社でスウェーデンのストックホルムと、米ロスアンジェルスにスタジオを構える |
LEVOLUTIONは本作だけでなくDICEの将来的な方向性を示しており、大小のアクションによって起こるステージの変化によって、プレイヤーの戦術も変化し、高い自由度をもたらすことができるという |
ONLY IN BATTLEFIELD。大小さまざまな10のマップ、7つのゲームモード、過去を凌駕する武器のカスタマイズモードなど、LEVOLUTIONを支える要素。スペクターモードという観戦モードが加わり、競技向けやユーザー間で楽しむ動画作成が可能となった |
イベントではBATTLEFIELD 4の体験会も行われ、ツクモやマウスコンピューター、ユニットコム、ドスパラといった協賛会社が体験用のデモマシン、BenQがディスプレイ、Razerがマウスとヘッドセットを提供した。マシンスペックはそれぞれ若干異なるが、いずれもグラフィックスにはRadeon R9 290か290Xを搭載したゲーミングマシンだ。
会場のほぼ中央に設置された体験マシン群。Radeon R9 290か290Xを搭載しているが、その他の仕様は非公開だった。マシンはALPHA/BETAに8台づつ割り振られている |
体験機のマウスとヘッドセットはRazer製を使用している。一般の体験者はこれを使用していた |
「ベテラン戦士」によるデモプレイも!
また、JCG(Japan Competitive Gaming)の協力の下、日本のベテランBATTLEFIELDプレイヤーによるデモンストレーションマッチも。体験は一人15分、デモンストレーションマッチは15分間の対戦をルール・フィールド違いで2回行われた。デモンストレーションマッチは達人同士ということもあり、かなり派手で30分見飽きなかった。(動画も公開されている:http://ja.twitch.tv/jcgbf4/b/478363304。第一マッチは38分過ぎから)
BATTLEFIELD 4のTシャツを着ているのがJCGが集めたベテランBFゲーマー。BF3のプレイ時間が1000時間を超える方もいるのでプレイは手慣れたもの |
さらにJCGのデモプレイでは「持込み入力装置」を認めていた。おおむね「マイマウスパッド」を持参していたが、この方のようにマイキーボードを持ち込む方もいた。「これがないとまともに歩けないんです」とのこと |
マッチ終了後の選手のコメントとして「さすがRadeon 280Xで最高設定でもヌルヌル。自宅のマシンとは大違い」という声が圧倒的であったが、BENQの液晶のフレームレートが高いことも評価されていた。また「280Xを買おうと思っていたので実際のゲームで体感できて参考になった」という声もあった。
デモプレイのあと、再度井戸川氏が登壇。MantleとTRUEAUDIOに関してもう少し突っ込んだ説明を行った。井戸川氏は「今年中に登場するMantle対応のBATTLEFIELD 4はここにあるデモ機だけでなく、R9/R7搭載のあなたのマシンでも『今日のデモよりも、同じハードウェアでもさらに快適に遊べるようになる』」とコメントしていた。
現在のゲーム開発状況を模式化したもの。現在はプラットフォームごとにGPUが異なり、さらにPC市場においては複数のGPUベンダーが存在する。その差を埋めるのがDirectXやOpenGLと言ったAPIで、少々オーバーヘッドが存在し、またGPUの細かい機能をフルに使えるわけではない |
さらにDirectXの進化が衰えつつあるという現状がある。現在のDirectX 11は2009年に登場しているが、Windows 8になって11.1、Windows 8.1で11.2とマイナーアップデートにとどまり、DirectX 12の予定が見えてこない |
ということで、DirectXなどの高級言語の進化に期待せず、GPUをよりダイレクトに使ってしまおうというのがMantleとなる |
TRUEAUDIOが使えるのはR9 290Xと290、そしてR7 260Xのみ。R9 280XはTRUEAUDIOが利用できないというのが少々気になる |
現在のPCゲームにおいてサウンド処理にかかるCPUパワーは全体の約10%であり、デザイナーがリソースの割振りを考える際に削られやすい要素だという。TRUEAUDIOはGPUの力で音響処理を肩代わりするという考えだ |
最後に、この手のイベントで恒例のじゃんけん大会が行われた。協賛各社が商品を提供し、最後の景品となったAMDが「ゲームショウで配布したマント」を景品に出して会場の失笑を誘いつつ、勝ち抜き者に「副賞としてR9 290のリファレンスボード」を渡して会場を沸かせたところでイベントは終了となった。