また、作り笑顔のほかに、個人的にもうひとつ避けている表情があります。それは、自信に満ちた「決め顔」です。プロとアマチュア、男女の別を問わず、撮られることが好きな人の中には、自分の決め顔を持っている人は多くいます。無意識のうちに決め顔になる人もいます。自分にとってのお気に入りの表情だと思うので、それを撮ることも多少は必要ですが、それだけでは不十分です。決め顔の写真は、撮っているのではなく、相手に撮らされている感覚になってしまいます。

最初から決められた表情ではなく、ふだんは見せない表情や一瞬垣間見せる表情を狙い、本人さえ気が付かない表情を探っていくことこそがポートレート撮影の楽しさです。その具体的な撮影方法については次回以降に紹介しましょう。

絞り優先AE(F1.2 1/125秒) 露出補正:±0 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

絞り優先AE(F4 1/400秒) 露出補正:+1 感度:ISO100 WB:太陽光 焦点距離:50mm カメラ:EOS 5D Mark III(写真をクリックすると拡大します)

今回使用したカメラとレンズ。焦点距離50mmのレンズは、自然な画角と適度な距離感で人物を撮るのに最適です

(モデル:葉月ゆめ)

「一歩上ゆくデジカメ活用術」バックナンバー
第1回 イルミネーションを利用してボケのある夜景写真を撮る
第2回 冬の逆光を生かして印象的なスナップショットを撮る
第3回 水族館の生き物たちを幻想的なイメージで撮る
第4回 夜空に浮かび上がる満天の星を撮る
本連載では、取り上げてほしいテーマを募集しております。ご連絡の際は、編集部のお問い合わせ窓口までお願い致します。