Bluetooth Smart Ready端末にインストールしたアプリ経由でBluetooth Smart機器と情報をやりとりすることから、クローター氏は「アプセサリ(アクセサリ+アプリ)」という呼び方も紹介する。

アクセサリとアプリによってBluetooth Smartの情報を受け取るスマートフォンやタブレットは「Bluetooth Smart Ready」として位置づけられ、クラウドとの連携が可能なサービスが登場している

このBluetooth Smartアプセサリ対応端末は、2013年には22,000程度だが、2017年には10万を超え、急増していくことが見込まれている。この急増の鍵を握るのが、モバイルOSとしてシェアの高いAndroidだ。スマートフォンOS市場において、国内ではすでに63%に達するAndroid端末だが、OSとして標準ではBLEをサポートしていない。しかし、Googleが5月に開催した開発者向けイベントGoogle I/Oで、BLEをOSとして標準でサポートする方針を発表しており、次バージョン以降は、標準でBLEを利用できるようになる。

アプセサリが今後さらに急増していく

AndroidがようやくBLEを標準でサポートする

現在Android端末でBLEが利用できるデバイス(一部のサムスン端末やNEC端末など)は、端末メーカーが独自で実装している。そのため、独自実装をしていないAndroid端末は、BLEと従来のBluetoothのデュアルチップを搭載した端末であってもBluetooth Smart Readyとは認定されない。ただ、今後GoogleがBLE対応のAndroidをリリースし、それが従来端末へのアップデートとして提供された場合、デュアルチップ搭載であればそのままBluetooth Smart Ready端末として利用できるようになるそうだ。Bluetooth SIGでは、ポータルサイトによる情報提供や開発者向けのリソースの提供で、Android向けアプセサリやサービスの開発をサポートしていく考え。

すでに市場にあるBluetooth 4.0やBLE対応製品。マウスやオーディオ製品のようなレガシーBluetoothを使う製品は、Android 4.0によるメリットはあまりないが、スマートフォンから離れるとアラームを鳴らす盗難・紛失対策製品などでは効果的

早期にBLE対応したカシオのG-SHOCK。もともとBLEは時計メーカーが中心となって規格化した背景もある

スマートフォン経由でミラーレスカメラや一眼レフカメラのシャッター操作ができるSmartTrigger。これは赤外線経由でカメラを操作するが、レリーズ端子やUSB端子経由で操作できるカメラの場合、ケーブルを変えるだけでBLEによるシャッター操作が可能

心拍計を装着したスポーツウェアやセンサーを内蔵したシューズもBLEを活用。写真右上の電灯は、BLEを使ってスマートフォンから操作が可能。右下の電灯は、通常の乾電池をBLE対応にするアダプタを装着することで操作が可能になる。いずれもプロトタイプ

こちらは乾電池をBLE対応にするアダプタ。今年1月のInternatonal CES 2013にも出展していたものだ

すでにiOSやMac OS、Windows 8などは標準でBLEに対応しており、Androidが標準でサポートすることで、さらにアクセサリが拡大することが予測でき、クローター氏はエコシステムの伸長に期待を寄せている。