これは、同じセンサーサイズに1,300万画素を詰め込むよりも、400万画素の方が1つ1つの画素サイズを大きくでき、レンズから取り込んだ光を多く取り込めるようになる。よって、高画質化、低ノイズ化が可能になるのだという。UltraPixelでは、1,300万画素クラスに対して300%多く光を取り込める、とチョウCEOはアピールする。

UltraPixelの搭載により、暗いシーンでもより明るい画像を、低ノイズで撮影できる

カメラ関連ではこのほか、「HTC Zoe」という新たな撮影機能を搭載。同機能は、シャッターボタンを押す1秒前から3秒後までの4秒間、20枚の写真を連写し、さらに3秒間の動画を同時に撮影。撮影前後の状況を画像と動画で確認できるにしたもの。

写真の撮り方、使い方を変える「HTC Zoe」

シャッターボタンを押す前後の画像や動画を同時に撮影することで、撮影時の雰囲気も残せるようになった

さらに、撮影した動画像の場所と時間を認識して、自動的に30秒のショートムービーを作成する機能も搭載する。チョウCEOは、こうしたカメラ機能に対して、「スマートフォンの新たな使い方を提供したい」とアピールする。

従来のスマートフォンのアルバムは、静止画と動画が並んでいるだけだった

リビングギャラリーでは、静止画と動画が動き、シーンが一覧で見られる

写真と動画で30秒のビデオクリップを自動作成するビデオハイライト機能。BGMも自動で作成される

連写機能を生かし、連続して撮影した画像を1枚の画像に合成する連続写真や、背景で動きのある邪魔なオブジェクトを削除する機能、連写画像の中から目つぶりした顔を笑顔の写真と差し替えるスマイルレタッチといった機能も搭載する

HTCのGlobal Product PlanningでVice Presidentの伊藤泰氏は、スマートフォンのカメラ画素数が増え続ける「メガピクセル競争」から、画質や新たな使い方を重視した点をアピール。米Appleの前CEOのスティーブ・ジョブズ氏も、iPhone 4の発表会で、画素数競争を避けて画質を重視する考え方を披露しており、HTC J Oneでも同様のスタンスだ。

伊藤氏は、現状はまだ「画素数の多さ」を競う画素数競争があり、「画素数が多い方が高画質」というとらえ方をされる可能性もあると指摘。HTCでは、店頭でUltraPixelのメリットやZoeの使い勝手をきちんと説明し、作例なども展示することで高画質をアピールしていきたい考え。HTCでは、長期的にこの戦略を続けていく意向。

デザインは、メタル素材を使用し、質感や手触りを重視。「手にした瞬間のプレミアム感」(伊藤氏)を感じさせることを狙ったメタルボディに、ダイヤモンド仕上げ、精密なスピーカーホールといった、細部までこだわったクラフトマンシップを注ぎ込んだという。

本来は電波を通しにくい金属に対して、一部をアンテナとして利用することで、デザイン性と性能を両立させているという。なお、このフルメタルボディを実現するために、防水性能の搭載は見送ったという。

フルメタルの外装で、持ちやすさにもこだわったボディ

スピーカーへのこだわりも大きく、本体前面にデュアルスピーカーを配置。専用アンプとフマートフォン向けの音作りを追求した「HTC BoomSound」によって、迫力のある音が楽しめるようになっている。

Beats Audioやアンプの搭載、前面のデュアルスピーカーによって迫力のある音が楽しめるBoomSound

チョウCEOは、「単に小さな改善を毎年積み重ねるのではなく、大きなジャンプをして本当に新鮮なエクスペリエンスを提供したい」と意気込みを語る。ゲストには、数年来の「友人」というKDDIの田中孝司社長が登場し、BlingFeed上にauスマートパスの情報も表示される点をアピール。チョウCEOと田中社長は、2社の関係が単なる端末供給だけにとどまらず、開発でも協力し、KDDI向けに最適化している点を強調。「2人のCEOの情熱でどういった素晴らしい経験が提供されるか見て欲しい」(チョウCEO)と話した。

ピーター・チョウCEOと、ゲストのKDDI・田中孝司社長(右)