既報のとおり、利用者にとって最適なUIへと進化を遂げたSugarSync 2.0。従来までの利便性の良さはそのままに、多様化したデバイスでのユースケースを考えて作り込まれたSugarSync 2.0の魅力や今後どのように進化を遂げていくのか、その方向性についてSugarSync Inc. CEO、ローラ・イーシーズ氏に直接伺う機会を得た。

SugarSync CEO ローラ・イーシーズ氏

「簡単に使えること。それがSugarSync 2.0の魅力ですね。パワフルで、利便性も高くITリテラシーの高い皆さまに評価されてきたSugarSyncを、簡単に誰でも使えるようにしたことで、エントリーユーザーの皆さんにもこの便利さを体験してもらいたいと思っています」とローラ氏。しかも、従来では私のような個人事業主や中小規模の企業で働くビジネスパーソンに数多く利用されていたが、今後はそのパワフルさを活かして大企業、いわゆるエンタープライズ領域での使用シーンも想定しているという。すると、必然的に問われるのが、コンペティターとの比較になってくるだろう。

「オンラインストレージサービスは数多くリリースされていますね。DropboxやGoogleドライブ、box.netなど。しかし、SugarSyncがそれらと大きく異なるユニークなポイントがあるのです。例えば、競合サービスでファイルを管理する際、所定のフォルダにファイルを入れないと同期されませんよね。ですが、SugarSyncであれば『あれ、あのファイル入れたっけ?』という心配をする必要がないのです」という。それはどういう意味なのか。

「クラウドストレージを意識することなく使い倒す、ユーザーのワークスタイルを崩すことなく、極端な例を挙げれば"Cドライブ直下すべて"を同期させることができる、しかも、共有する相手を柔軟に設定できるのはSugarSyncならではの機能と言えるでしょう」とローラ氏。つまり、同期させたいものを適宜同期させることが可能で、なおかつ共有する相手を個別に設定できる幅の広さが他にはない優位点である、ということだ。実際にSugarSync 2.0では、非常に簡単にクラウドストレージを利用することができる。

SugarSync 2.0より導入されたデスクトップアプリ上で、同期させたいフォルダやファイルをドラッグ&ドロップするだけでOK。この手軽さは、SugarSyncならではの機能と言えよう

無限の可能性、利用用途がイメージできるSugarSync 2.0の優位性

写真を見てもお分かりかと思うが、任意のフォルダを適宜クラウドストレージに放り込み、同期すること、あるいはモバイルデバイスで参照・編集することが可能だということは、まさにローラ氏が語っていた「意識することなく使い倒す」ことが可能と言う言葉を思い出さずには居られなかった。私は、普段作業を行う際に必ず"業務"というフォルダ内に各案件のフォルダを作成してそのなかでファイルを纏めるようにしている。例えば、業務フォルダをSugarSyncで同期設定すれば、"業務フォルダ以下のすべてのファイル・フォルダが同期対象になる"というのは、非常に魅力的だ。

共有設定を詳細に行えるということも「クラウドストレージを使い倒してやろう!」という意欲を掻き立てられずにはいられない。案件ごとに担当者が異なり、共有したい相手を選択できる。しかも、一度その設定を施してしまえばその後何の意識も必要なく、共有できるというのは企業に勤務するビジネスパーソンにも、多くの友達が居るティーンエージャーも、ローラ氏のような企業経営者にとっても有益に使えるのではないだろうか。「プロジェクトチームメンバーにはこの階層以下すべてを共有」、「仲良しチームのみんなだけと写真を共有」など、様々な使い方のイメージが湧いてくる。

共有の権限設定に関しても非常に簡単に行うことができるSugarSync 2.0。共有の方法もプライベート、パブリックと選択することができる

ローラ氏が面白いSugarSyncの利用方法の例を挙げてくれた。俳優や映画監督として活動しているエクトル・カベイユ・レイェス(Hector Cabello Reyes)氏はSugarSyncのヘビーユーザーだそうで、カンヌ国際映画祭で世界中から集まってくるプロデューサーに対して自らの作品を売り込む際にパブリックリンクですぐに相手と共有したり、カンヌ国際映画祭期間中に脚本に対して"隙間時間"を利用して携帯端末やラップトップPCで反映させていたのだという。

レイェス氏自体、カンヌ国際映画祭で多くの人が重要なファイルを自宅のパソコンの作業フォルダに保存していてデータを持ち合わせていなくて困っていたというシーンをよく目にしたのだとか。確かに、自らを売り込むことができる貴重なチャンスを"あのファイルは自宅PCのなかだった!"では、機会損失に繋がってしまう。またレイェス氏は「クラウドを使えば、どこにデータを保存したかという考え自体が時代遅れなのだ」とも語っていたそうだ。

クラウドストレージはデータを他者とシェア・共有してはじめて意味があるもの

ローラ氏が紹介してくれたエクトル・カベイユ・レイェス氏のユースケースが纏められたSugarSync.comのブログ記事

さて、ここでローラ氏に、SugarSync 2.0がローンチされたばかりで気が早いかも知れないが、今後どのようにSugarSyncが進化していくのか、そのロードマップを伺ってみた。「アメリカでは既にビジネスプランとして展開している管理者権限の委譲を行えるようにすること、そしてセキュリティに関しては力を入れていきます。また、クラウドストレージは単なるストレージ機能のみではありません。他者と簡単にシェア・共有することができる利便性をさらに追求して、エンタープライズユーザーでも、パーソナルユーザーでもより便利に使えるよう改良を施していきたいと思っています」と力強く語ってくれたローラ氏。日本のユーザーから非常に支持を受けており、課金利用しているユーザーが多いという。マルチプラットフォームで展開されるSugarSync 2.0だが、iPhone版のアプリも近日中に公開されるということから、今後もSugarSyncから目が離せなさそうだ。