機能の説明後、森氏は「メッセージ配信時に気をつけるべきポイント」を解説。まず、「メッセージ内にユーザーへのメリットを付加すること」の実例として、LINE@を活用している飲食店『Napoli's PIZZA&CAFFE』を紹介。このお店では、LINE@限定の裏メニューを提供する試みをした結果、3店舗で623名の友だち登録を獲得したということだ。

また、日本のプロバスケットボールリーグ「bjリーグ」は、PRページに試合の画像や動画を掲載し、試合情報を伝達するツールとして活用することで、友だち登録の獲得に成功していると言う。

森氏は「クーポンに限らず、ユーザーに有益なものをメッセージに付加することがポイントです」と語り、ユーザーの立場に立ったメッセージの作成を呼び掛けた。

さらにもう1つのポイントとして、「メッセージの送信頻度」を森氏は挙げる。「メッセージの回数を増やすのではなく、届けたい情報を届けたいときに届けることが大切です」と語り、週に1、2回程度の送信がユーザーとのコミュニケーションマナーとしては適切である、とレクチャーした。

LINE@の効果について語る森氏。「ラフォーレ原宿がツイッターでLINE@アカウントの告知と、登録者限定のバーゲン特典を発行したところ、1日で2300人の新規登録があった」とのこと

ここまでLINE@についてのプレゼンテーションが続いたが、ここで登壇者が交代。人気ブログ「ネタフル」の管理人で、「LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?」(マイナビ新書)などのLINE関連書籍の著者でもあるコグレマサト氏によるセッショントークが行われた。

コグレ氏は、「丑三つ時に届く」や「届くたびにテンションが違う」といった、届いたらイヤなLINE@のメッセージについてユニークに語り、会場の笑いを誘った。一連の「届いたらイヤなメッセージ」は、LINE@におけるNG配信の例になっており、「頻度」「タイミング」「タイトル」「内容」「デザイン」の5つのポイントに注意したメッセージ作成を促すものだった。

最後にコグレ氏は、「売りこみたいという気持ちばかりではなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとして使ってほしい」と呼びかけた。

LINE@ユーザー企業・団体によるパネルディスカッション

会場が和んだところで、実際にLINE@を活用している企業、団体を招いてのパネルディスカッションが行われた。ディスカッションは、まつもとあつし氏の進行で進められ、パネラーには、友だち登録数1万3000人を超えるアパレルブランド「LIP SERVICE」の川添隆氏、前述の飲食店「Napoli's PIZZA&CAFFE」の續(つづく)大輔氏、行政初のLINE@アカウント開設した京都府広報課の塩崎大祐氏に加え、NHN Japanの田端氏、森氏が参加した。

パネラー参加者の6名。左から、川添氏、續氏、塩崎氏、田端氏、森氏