Googleが、いわゆるリアル店舗の「Google Store」の設置を計画しているという噂が話題となっている。Googleの製品や技術を多くの人に増えて理解してもらうのが狙いで、今年の年末商戦までにも米国内の主要地域に1号店をオープンさせる意向だという。

同件は関係者の話として9 to 5 Googleが報じている。それによれば、Googleは現在米Best Buyや英PCWorld/Dixon’s、あるいは主要空港などで出張店舗を開いてChromebookのプロモーションを行っているが、この業容をさらに拡大したものになるようだ。これら出張店舗は営業成績よりもプロモーションが主な目的となっているが、新店舗ではGoogle Nexusの販売のほか、間もなく登場するGoogleの各種製品の体験の場としての役割を持つという。同社が初のダイレクトセールスを行ったNexus Oneのケースでは、販売効率を考えてオンラインでのプロモーションが中心だったこともあり、事実上一部のコアユーザーにのみリーチできたに過ぎなかった。だがユーザー層の拡大でより身近な場面でのプロモーションが重要になってきたという背景があるとみられる。

最近ではダイレクトセールスに加え、リテールパートナーとの関係も強化しつつあるGoogleだが、こうした同社がAppleやMicrosoftと同様に直営店を持つ意図と可能性はどこにあるのだろうか。同件を報じたメディアの反応もさまざまだが、理由の1つは「Google技術のわかりにくさ」にあると考える。例えばChromebookを1つとってみても、この製品のPCとの違いとメリットを説明するのは難しい。さらに今後「Project Glass」のほか、プロジェクトとしては中止してしまったものの「Nexus Q」といった従来にないコンセプトの製品など、マニアではない一般ユーザーに技術と製品を理解してもらうための接点が必要になるのではないだろうか。この点がApple製品との違いの1つといえるかもしれない。