新しいスマートフォンを購入して一番最初に考える事は何だろうか? 多くの人が「せっかく買ったスマートフォンを傷付けたくない」と思い、ケースやカバーを購入する人が多いのではないだろうか。

量販店などで良く売られているケースと言えばシリコンカバーとハードケースだろう。だが、この2種類のケースにも一長一短がある。シリコンカバーは弾力性があるので、ある程度の衝撃を吸収するが、数カ月使い続けると少しずつ伸びたり弛みはじめて変形し、本体から簡単に外れてしまう事がある。一方、ハードケースはポリカーボネイトというシリコンカバーよりも薄く硬い素材でできており、端末自体のデザイン性を損なわないものが多い。しかし、素材とその薄さから衝撃吸収性は殆ど無いといわれている。

では衝撃に強く、なおかつ本体から外れにくいようなケースはないのだろうか? 実はこの2つの異なるケースの素材を組み合わせて落下の衝撃から端末を守る「耐ショックケース」というカテゴリーの商品があるのだ。耐ショックケースのほとんどは、ポリカーボネイトとシリコンの強靭な2重または3重構造。重ね着のように、外側のポリカーボネイトのハードケースで内側のシリコンスキンを包むような仕組みとなっている。1~2メートルの落下衝撃に耐えると謳う製品もある。海外では耐ショックケースは一定の人気があり、各社から様々な製品が販売されている。

北米で人気の耐ショックケース

シリコンとポリカーボネイトの2重構造だ

耐ショックケースはOtterBox、BALLISTIC、TRIDENT、incipio、CASE-MATE、Speckなどのメーカーから発売されている。今回はその中から、TRIDENT、OtterBoxの2社のケースを紹介したい。

TRIDENT社のAegisシリーズはカラーバリエーションが豊富な耐ショックケースだ。シリコン、ポリカーボネイト共に肉厚で、イヤホン端子部やUSB端子部にも開閉可能なフラップ式の蓋が付いている。耐ショックケースの中でも、かなりセーフティーなケースと言えるだろう。デザインの特徴は同社のエンブレムが背面に大きくあしらわれており、一目で「TRIDENTのケースだ」という存在感が感じられる。

TRIDENT社のAegisシリーズ

サイドにシリコンがせり上がって画面が直接設置するのを守る

シリコンのフリップ式の端子カバーを備える

アクティブで遊び心のあるスポーティーなデザインがTRIDENT Aegisの一番の魅力と言っていいだろう。

TRIDENT社より大人しめの落ち着いたデザインなのがOtterBox社のCommuterシリーズだ。スタイリッシュな外観と耐衝撃性を両立したシリコンとポリカーボネイトの2重構造の商品である。ハードケースの表面をシボ加工しており、滑りにくくするなど細かい所に小技が利いている。また、TRIDENT社のケースと同じく開閉可能なフラップ式の蓋が端子部を保護しており、ある程度の防塵、防滴になっている。

OtterBox社のCommuterシリーズ

こちらも端子部にカバーが付いている

OtterBoxの拘りは内部シリコンにも刻印が

同シリーズの殆どの製品が、装着する端末のデザインを重視した作りになっており、色合いも落ち着いたものが多い。ファッションやシーンを問わず持ち歩ける商品と言っても良いだろう。

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耐ショックケースは例えるならば、車で言うところの「日本車」に対する「アメ車」だ。タフでマッチョな北米デザインを好む人はこの上ない魅力を感じるだろう。「薄く」「軽く」を求める日本的デザインとは相反するが、「守る」という基本的で重要な目的には一番近い。デコやプリントのような装飾は無いが、ケース自体の存在感は他を圧倒している。

アウトドアシーンにはぴったりなケースで目立とう!

ただ、耐ショックケースはその構造上、落下に対して万能のように思われがちなのだが、あくまでケースの耐衝撃性を高め、装着する中の端末を保護するという製品である。どんな場面や条件で落としても端末本体が大丈夫という絶対的な補償は無い。例えばCASIOのG'zOneシリーズのように端末自体が耐衝撃として設計された端末には到底及ばない。また、耐ショックケースによって本体の外装が無傷であったとしても、落下の衝撃による精密な内部への影響が無いとは限らないのだ。そもそも精密機器であるスマートフォンを落とすという事はご法度である事には変わりはない。

とはいえ、通常のケースやカバー類と比べ、耐ショックケースが愛用するスマートフォンを守る事に秀でている事は間違いない。端末を落とす事が多い人や落下で端末に傷を付けた経験のある人、または長く綺麗に端末を保持したい人にはオススメだ。そしてもちろん、人とは違う個性的なケースをつけたい人や、派手な見た目を自慢したい人にも是非使ってみて欲しい。

(記事提供: AndroWire編集部)