トレンドマイクロは2012年度の日本国内のインターネット脅威レポートを発表した。そのうちスマートフォン関連について、Android端末向けの不正アプリは、2012年11月時点で31万4000個となり、約1年で300倍以上に増加したとし、同社では、不正アプリの手口が多様化しており、不正アプリへの対策が重要になっていると指摘している。

Android端末における不正アプリの増加グラフ

同社の発表によると、Android端末向けの不正アプリは、2010年8月に初めて確認され、2011年12月に約1,000個に増加、2012年11月時点では31万4,000個と約1年で300倍以上に増えたとしている。

不正アプリの種類も多様化しており、2012年の上半期まではゲームやアダルト、動画コンテンツの再生などユーザの興味を引くアプリに偽装するものが多かったが、スマホの普及を背景に、下半期には電池を長持ちさせるアプリやセキュリティソフトを偽装するなどユーザのスマホに対する不満や不安につけ込む騙しの手口が広がった。

具体例として、2012年1月にはアダルトコンテンツの再生アプリと偽り、感染すると5分おきに金銭の請求画面を表示するワンクリックウェアを確認、4月にはエンターテイメント系の動画を装い感染すると端末本体の電話番号のほか、電話帳に記録していた名前、電話番号、メールアドレスを外部のサーバに不正に送信する不正アプリが確認された。

また、8月には「Power Charge」「電池長持ち」「電波改善」「app電話帳リーダー」「無料電話」などスマホの機能改善ツールを、9月には「安心ウイルススキャン」といったセキュリティソフトを装った不正アプリが確認されるなど、不正アプリが偽装するカテゴリが増加した。

なお、不正アプリの配布サイト上での騙しの手段として、偽の口コミ情報を記載する事例も確認されており、同社では、不正アプリや不正なWebサイトへの対策が重要となっていると指摘している。

(記事提供: AndroWire編集部)