「幕末で一番好きな偉人は?」と聞けば、おそらく坂本龍馬がダントツの一番人気になるのではないでしょうか? 歴史ファンなら説明するまでもないとは思いますが、何をした人物か、端的に言い表すと「江戸幕府を倒すきっかけをつくったキーパーソン」でした。

当時の江戸幕府は、黒船(アメリカ)の要求を拒否できる武力はなく、それにより国内をまとめる力も相当に弱くなっていました。龍馬は、「このままでは日本が外国に乗っ取られる!」という危機感で、古い権威(江戸幕府)を倒し、新しい統一国家をつくろうと尽力したのです。

もし、幕末にスマートフォンがあったなら、龍馬はどんなアプリを使っていたのでしょうか。そんなことを空想してみるのも面白いのではないでしょうか。無理を承知の上での試みですが、坂本龍馬のエピソードとともに、龍馬がスマホを持っていたら使っていたかもしれないiPhone/Androidアプリを5つ厳選して紹介します。

スイング連シャー

「龍馬は剣術の達人で、名門の千葉道場で“免許皆伝”だった」と言われています。が、実際はそれが本当であった確かな証拠はありません。龍馬が持っているのは、「北辰一刀流 長刀兵法」の目録です。

「長刀」とは、「剣」ではなく「ナギナタ」のことである可能性が高いそうです。おまけにこの目録は、最高ランクの認定証ではないそうです。だからと言って、免許皆伝が完全にウソだったとも言えません。龍馬の遺品はすべてが残っているわけではありませんし、証言のなかには「免許皆伝だった」と、言われているものもあるそうです。

いずれにせよ龍馬のような偉人が、僕のような小市民にこんなどうでもいいことを、ゴチャゴチャ言われないためにも、「スイング連シャー」は龍馬が欲しがるアプリだと思います。

このアプリは連射で写真撮影をしてくれるので、フォームのチェックや試合の様子を検証することができ、よりはやく腕前を上げて千葉道場での"免許皆伝"を確実な証拠とともに歴史に刻むことができるかもしれません。

スイング連シャー

アプリ基本情報(2012年12月17日現在)
対応OS Android 1.6以上 価格 無料

エステカメラ

坂本龍馬は、若かったせいか、明治維新の偉人にしては写真がたくさん残されています。同時代の偉人で、龍馬よりも長生きをしている西郷隆盛には一枚も写真がないのと比べると、その差は顕著です。

写真が多く残っていた理由には、「好奇心が強かった」、「年齢が若かった」など色々と考えられているようです。しかし龍馬本人も、死後140年がたった現代でも、これだけ自分の写真がお土産屋のタオルやらポスターやらに使われるとは思っていなかったでしょう。

この「エステカメラ」があれば、撮った写真を美白にできる機能があるほか、スリムに見せる機能もあります。最大25%もスリム化できるので、より男前で写真を後生に残せたかもしれないので、きっと落としたかったアプリでしょう。

エステカメラ

アプリ基本情報(2012年12月17日現在)
対応OS Android 2.2以上 価格 無料

名字で相性

当時、幕府を倒すためには、薩摩藩と長州藩という、強い藩がタックを組むしかないと考えられていました。しかし、このふたつの藩は、「蛤御門の変」というケンカなどが起きたことで犬猿の仲となってしまい、タックを組むのは不可能と考えられていました。 でも龍馬の懸命な努力が実を結び、何とか同盟が成立し、結果的に幕府を倒すことに成功したのです。

同盟がうまくいくかどうか、龍馬もものすごくハラハラした心境だったそうです。この「名字で相性」があれば、事前に薩摩藩と長州藩の相性がいい日がわかり、龍馬も、日にちの設定に困らなかったと思います。

実際、西郷隆盛(薩摩藩)と桂小五郎(長州藩)で相性診断をしてみると、同盟が締結された日は5段階中の「4」で、「思い通りになる日」との結果が出ました。

名字で相性

アプリ基本情報(2012年12月17日現在)
対応OS iOS 3.0以上、Android 2.1以上 価格 無料

防犯ピコピコくん

坂本龍馬の最期は暗殺という悲しい事件で一生を終えました。近江屋という醤油屋に隠れ住んでいたところ、数名の男に押し入られ、盟友の中岡慎太郎と共に斬り殺されてしまったのです。それはちょうど、満32歳の誕生日の日でした。犯人は今のところ「見廻組」が有力とされています。「見廻組」とは、反幕府勢力を制圧する警察組織のようなもので、新撰組と同じような活動をしていた組織です。

さて、この終焉の地は、現在、京都の商店街にあり、碑が建てられています。私も約2年前に行きましたところ、跡地は今、コンビニになっていました。店内には「坂本龍馬鉛筆」やポスターなど、龍馬グッズもたくさん売っていました。あんまりひやかしをしていると、僕まで暗殺されそうで、少し警戒をしていましたが、特にそういうイベントなどはありませんでした。

しかし、何となく坂本龍馬の終焉の地にコンビニがあるのに違和感があり、「もうちょっと違うところで最期を迎えられていれば……」と、思ってしまいました。

そこで当時、「防犯ピコピコくん」があれば、きっとダウンロードをしていたと思うのです。「サイレン」「呼び出し音」「火事だ!」「HELP」の4つの音が選べますから、暗殺者もきっと驚いて逃げたでしょう。

防犯ピコピコくん

アプリ基本情報(2012年12月17日現在)
対応OS Android 2.1以上 価格 105円

経営者の名言Free

歴史が好きな人に、「日本で最初の株式会社は?」と聞けば、「龍馬がつくった亀山社中に決まってるだろ!」と答える方が多いと思います。しかし、それは間違いです。正解は、「第一国立銀行」です。名前は「国立」と付いていますが、「民間経営」の銀行です。 亀山社中は、「株式会社の定義」を満たしていないため、株式会社とは呼べない組織なのです。ただ、海運貿易など商社としての機能は持っていましたから、「会社っぽいことをしていた」イコール「株式会社だろう」というような連想が、間違いを生んだのではないかとも言われています。

さて、龍馬は歴史的にはすごい偉人ですが、残念ながら経営者としてはあまり実績を出せませんでした。海運貿易を中核事業としていたのですが、肝心な船が嵐に遭って沈没してしまったこともあり、経営はかなりキビしい状態だったのです。

「経営者名言_ Free」があれば、孫正義や松下幸之助など、名経営者の名言がたくさん聞けて、おそらく利益をたくさん出せる組織になっていたことでしょう!

アプリ基本情報(2012年12月17日現在)
対応OS iOS 4.0以降/Android 2.2以上 価格 無料
齊藤正明(さいとう まさあき)
歴史マニアの上司と鹿児島へ出張に行った際、「あれが大久保利通の銅像だ」と上司に言われたとき、「大久保利通って誰っスか?」と答えたところ逆鱗に触れ、「オマエのような奴は、一回死ね!」と狭いレンタカーの中で3時間説教をされる。以降、上司からは「オマエには生きる価値などない!」と散々怒鳴られ、シブシブ『学研歴史まんがシリーズ』で歴史の勉強を開始。最初は嫌々だったが、偉人の俗説を知ると、偉人も自分とあまり変わらないことを知り、歴史に興味を持つ。現在は、様々な歴史書を読み「偉人の墓巡り」が趣味。これまでに巡った偉人の墓(または記念館)の数は500以上。『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(マイナビ新書)など著書多数。