既報の通り、日本マイクロソフトの本社で12日にコンシューマー製品群に関する記者説明会が開催された。本稿ではWindows RTについて、およびWindows7から8へアップグレードするメリットなど同社の記者説明会の様子をお送りする。
説明会には、日本マイクロソフト業務執行役員の藤本恭史氏が登壇した。Windows RTを搭載したPCとしては、11日にASUSから「ASUS Vivo Tab RT TF600T」が発売された。また、11月下旬にはNECから「LaVie Y」のリリースが予定されている。藤本氏によれば、マイクロソフトでは次の数年間のトレンドを担うOSとして、タッチのできるデバイスの開発を進めてきたという。「Windows 8およびWindows RTは、ノートPCの機能性、タブレット端末の携帯性という特性を融合したデバイスになった」と説明した。
その上で、Windows RTで追求されたのは「薄型、軽量、長時間バッテリー」の部分になる。スマートフォンのようにスリープ(待機電源)中に各種アップデートを取得するようになっている。したがって、電源をオンにした瞬間に新着メールなどの情報も得られるという。
Microsoft Office 2013 RT Previewをプリインストールするなど、多くのアプリには対応している。x86ベースの製品と大きく異なるのは、周辺機器のドライバを取得する過程。これまで、周辺機器を提供するサードパーティなどがドライバについても提供するのが常識だった。しかしRTでは、インボックスドライバと呼ばれる端末内のシステムが各種ドライバの機能を補完する。これにより、ユーザはより簡単にかつ確実に手持ちの周辺機器とPCとの接続性を確保できるのだという。なお、インボックスドライバで動くものについては同社のWebサイト上の「互換性センター」で確認できる。
そのほか、新しいUIのスタート画面などは、x86ベースのものと変わらないとのこと。ストレージの利用や追加デバイスへの接続が可能なUSBインターフェースを搭載する点も、従来機と変わらない。藤本氏は「ディスプレイが外れるタイプ、キーボード部分が360度回転するタイプなど、コンバーチブル(可変式)モデルも数多く提供される予定。様々な形状の製品が登場するので、本当に自分にフィットするデバイスが見つかる良い機会になるのではないか」と話した。
マイクロソフトがWindows RTのターゲット層に想定しているのは、旧来のPCユーザに加えタッチパネルをメインに使いたいユーザー。複数のデバイスを所有するユーザが増えてくることも見越しており、マイクロソフトでは「マイクロソフトアカウント」を提供する。これにより、アカウントにサインインさえすれば新しいデバイスであってもロック画面やピクチャーパスワード、IME設定など個人環境が自動的に同期されるという。
タッチパネル対応でなくてもスムーズに動くWindows 8
このあと、Windows 7から8へアップグレードした場合についてのメリットについて説明が行われた。まず第一に、パフォーマンスの向上があげられるという。具体的には起動時間の速さや、アプリの動作の速さなど多方面で実感できるとのこと。シャットダウン時もカーネルは休止の状態を維持する。これにより起動時に読み込むファイルを抑えることに成功している。OSがクラウド(SkyDrive)と連携することで、パフォーマンスの向上に貢献しているという。「タッチパネル対応デバイスでなければWindows 8にする価値はない」というのは全くの誤解とのことだ。
また、別会場では、タッチパッドの機能を有するマウス製品、およびOEM各社から提供されている最新Windows 8 PCの展示も行われていた。