我々日本人には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回は常に最新の情報を画面に表示してくれる新たな仕組み「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」。




「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」

「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」

Windows 8のスタート画面に並び、各アプリケーションを起動するためのボタンだ。従来のショートカットファイルと同じ機能を備えると同時に、アプリケーションを使用していない場面でも、ユーザーが関心を持つような仕組みが用意されている。タイルはタブレット型コンピューターへの対応と同じ理由で導入され、Windowsストアアプリデスクトップアプリをタッチ操作で容易に起動するために用意されたパーツだ。

タイルのサイズは、当初Square(スクウェア)と呼ばれる1×1(120×120ピクセル、もしくは150×150ピクセル)サイズのものと、Wide(ワイド)と呼ばれる2×1(248×120ピクセルもしくは310×150ピクセル)サイズの二種類を用意。ユーザーが使用できるのはいずれかであり、スタート画面の可用性を踏まえ、これより大きいサイズに変更することはできない。また、Windowsストアアプリの開発者がサイズ変更を抑制し、特定のサイズに固定することも可能である。

WinRT(Windows Runtime:プログラミングモデルの一種。Windowsストアアプリを開発するためのバックボーンでもある)の機能を使用し、バックグラウンドで取得した情報をタイル画面に通知するタイプは「ライブタイル」と呼ばれる。「メール」や「カレンダー」「ニュース」といった標準のWindowsストアアプリは、常に最新情報をディスプレイ上へ表示することが可能だ。また、未読メールや更新情報があると、タイルの右隅に「バッジ」と呼ばれる数字と数種類のマークを表示する仕組みも備わっている(図01)。

図01 「ニュース」など、一度起動しないと稼働しないライブタイルも存在する

一見するとアプリケーション一つに対して一つのタイル、というルールが決まっているかのように見えるが、例えば「天気」で複数都市の予報を登録し、それをスタート画面にピン留めすることもできる。Microsoftは同機能を当初「Secondary Tile」と呼んでいたが、蓋を開けると特定の呼称は用意されなかった。このようにタイルライブタイルは、アプリケーションに対するショートカットという役割と同時に情報表示機能を備えた新しいシステムである。

執筆時点でライブタイルは、標準Windowsストアアプリにとどまっているが、今後対応するWindowsストアアプリが増加することで、スタート画面は一種の情報スペースへと進化する可能性が高い(図02)。

図02 「天気」「メール」などから引き出せる複数の情報をタイルとしてピン留めすることも可能だ