Linux KVM 仮想化 太鼓判構成 3つのラインナップ

Linux KVM 仮想化 太鼓判構成には、導入レベルに合わせて大きく3つのラインナップが用意されている。

まず1つめが、コストをかけずに今すぐ仮想化を始めたい企業向けの1台のサーバによるエントリー構成だ。

次の2つめは、低コストであってもパフォーマンスを重視する企業向けのもので、サーバは1台だが独自技術「IBM eX5」で大容量メモリーをサポートする筐体を使用することで仮想マシンのパフォーマンスと同時稼働数を大幅に引き上げている。これには、大容量SSDを用いたIBMの最新ストレージテクノロジー「eXFlash」も採用されている。

「仮想化環境では、CPUのコア数よりもI/Oがボトルネックになりやすい。そうしたボトルネックを解消できる構成だ」と新井氏は説明する。

そして3つ目のラインナップが、仮想マシンのメリットをフルに活用したい企業向けの構成となっており、大量の仮想マシンの使用と可用性を重視した大規模環境の仮想化を実現する。既にKVM以外のハイパーバイザで仮想化環境を構築している企業がKVMに移行する場合にも適した構成である。

ちなみにIBMでは、太鼓判構成にとどまらず、広くKVMのサポートに力を入れている。「System x」と「BladeCenter」のすべてのモデル、さらには同社が今年4月に新しいITのカテゴリーとして発表した「エキスパート・インテグレーテッド・システム」のコンセプトに基づく「IBM PureSystems」シリーズなど、各種プラットフォームでもKVMをサポートしているのだ。さらに、IBMが全世界で展開するパブリック・クラウドサービス「IBM SmarterCloud Enterprise」にもKVMが使用されている。

顧客に、より可用性と柔軟性を提供するために

Linux KVM 仮想化 太鼓判構成では、より高いレベルでの可用性を求める企業向けに、サイオステクノロジーのHAクラスタリング・ソフトウェア「LifeKeeper」が用意されている。新井氏はLifeKeeperの優位点を次のように話す。

「KVMに限らず、仮想化ソフトウェアではアプリケーションが止まっても検知することはできない。なので、アプリケーション・レベルの信頼性を高めるためには、ゲストOS内でアプリケーションやプロセスを監視できるLifeKeeperは欠かせない存在だ。とりわけミッションクリティカルな使用をしているお客様にはぜひ推奨したい」

IBMでは、サイオステクノロジーと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)との3社による協業により、KVMを使った高可用性仮想化環境をより柔軟に顧客の要望に対応しながら提供することを目指している。

「サイオステクノロジーとはLinuxビジネスに参入した当初から古い付き合いがあり、今回も可用性の側面からお客様の役に立てないかという点で思いが一致した。これに日本全国のユーザー企業と強い信頼関係を築いているCTCが加わることで、お客様の多様なニーズにきめ細かく応えることができる体制が整ったと自負している」

IBM、CTC、サイオスがわかりやすく解説
「仮想化環境の高可用性システム構築セミナー」開催


本企画で取材した3社による「高可用性システム構築セミナー」が、東京、名古屋、大阪、福岡の4都市で開催される。システム基盤設計上の考慮点から、アプリケーションの実稼働を意識したソフトウェアの紹介、安価で信頼性の高いハードウェアの選び方など、3名の有識者からさまざまなノウハウが紹介される予定だ。

セミナーの詳細はこちらのWebサイトに掲載されているので、興味のある方はご確認いただきたい。

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