外付けグラフィックスが使い方の幅を大きく広げる

Ultrabookが採用するグラフィックスは、オンコアの「インテル HDグラフィックス」がほぼ全てだ。筐体を薄く軽く、さらには消費電力を少なくしようと思えば当然の選択肢だ。VAIO Zに関してもモバイルノートPCであるからには、当然それを選択する。しかし、ここで大きく違うのが、ご存知「Power Media Dock」の存在だろう。

グラフィックスとブルーレイディスクドライブを内蔵する外付けユニット「Power Media Dock」

VAIO Zのディスプレイを含め最大4台まで拡張できる

必要に応じて、専用グラフィックス「AMD Radeon HD 6650M(1GBビデオメモリ)」を"外部に"取り付けるというこの機能は、未だに他の追随を許していないほど独創的だ。通常の作業時はオンコアグラフィックス。グラフィックスに負荷を掛けたいときは、外付けグラフィックスを接続するという使い分けが可能になるのだ。

Power Media Dockで外付けグラフィックスを使った場合のエクスペリエンスインデックス。先ほど紹介したものと比べ、グラフィックスとゲーム用グラフィックスが0.4ポイントずつ上昇している

USBポートを使って取り付けられるこの機能は、PC本体への電源供給も兼ねるため、接続時にも不要なケーブルがあるような感覚はない。もちろん、外付けユニットを接続するのだから、一定の不便はあるが、モバイル時にグラフィックスに負荷を掛けたい瞬間があるのかというと、ほとんど無いはずだ。自宅、もしくはオフィスで、きっちり作業するようなシチュエーションで使われる機能なので、モバイル性能とは切り離して考えるべきである。

接続はUSBポートを利用する。同時に電源ポートへの給電もおこなえるので、使い心地はすこぶるよい

もっとも、「Power Media Dock」が搭載するグラフィックスは、ガンガンにゲームを楽しむという類いのものではない。その手のグラフィックスは高性能と引き換えに電力消費も多くなるため、必要に応じて3Dや動画編集などをサポートすることを念頭においたグラフィックスチョイスだろうということがよく分かる。一般的なUltrabookでは選べない、第3の選択肢ともいうべき「Power Media Dock」の存在は、モバイルメインのヘビーユーザーになればなるほど、その有効性を認識できるはずだ。

外付けグラフィックスを活用すれば3DMark11も完走する