GIGABYTEの7シリーズマザーから搭載される新機能

Tim Handley氏による製品説明では、同社の7シリーズ・マザーボードに採用された新機能が明かされた。

GA-Z68/H67シリーズと同社7シリーズマザーとの違い。オールデジタルPWM電源やUEFIへの対応、品質基準「Ultra Durable」のバージョン、ほか、CPUやチップセットに由来する各種機能が異なる

GIGABYTEの7シリーズ・マザーボードを、オリジナル機能で、同社Z68世代マザーボードと比較すると、3つの点で異なると言う。まず7シリーズ・マザーボードでは電源回路に「オールデジタルPWM」が採用される。既にX79マザーボードで導入が始まっているが、これがメインストリーム向けの7シリーズ・マザーボードでも採用される。次は「Dual UFEI」。同社のZ68マザーボードはBIOSを用いていたため、メインストリームユーザーにとっては最も大きなトピックになるかもしれない。UEFIとなってもDual BIOS同様、物理的に2つのUEFIチップを搭載し、障害回避や2つの動作モード設定を切り替えて利用する等で活用できる。最後は同社の品質基準である「Ultra Durable」。7シリーズ・マザーボードでは、Ultra Durableのバージョンが「4」へと進化する。

オールデジタルPWMは、CPU、統合グラフィック、メモリおよびVTTの4系統に対し、全てデジタルPWM回路を用いることを指している。また、専用のユーティリティ「3D POWER」が用意され、PWM専用の周波数を制御することで安定性やOCに力を発揮する。

CPUやメモリ等、主要な4系統の電源回路をデジタルPWM化

Dual UEFIではUEFIに関連し、いくつか機能が追加されている。まずUEFIだが、同社のUEFIは64MBのチップを採用しているとのこと。Dual UEFIは、ハイエンドモデルのみならず、エントリーモデルまでトップ・トゥ・ボトムで展開される。同社によれば、マザーボードの故障の多くはBIOSに関連するものが多く、これを防ぐ意味からDual BIOS/UEFIによる冗長化を、エントリーモデルにも採用しているとのことだ。UEFI画面は、同社のX79マザーボードでも採用された「3D BIOS」となる。当該マザーボードを斜めから撮影したカットをメインに据え、各所をマウスオーバーすることで、その関連する機能の設定ウィンドウが表示される。さらに詳細な設定を行いたい上級者には「アドバンス・モード」も用意されている。同氏によれば、7シリーズのUEFIは既に世界のオーバークロッカーにテストされているが、非常に安定していると評価されているとのことだ。

GA-X79シリーズで採用された3D BIOSやDual UEFIを受け継ぐ

Ultra Durable 4(以下UD4)は、ひとつ前のバージョンにあたるUltra Durable 3(以下UD3)の進化版となる。大きく分けると4つの機能から構成されており、「防熱」「防湿」「防静電」「防電断」がそれに当たる。防熱は既にUD3でも採用されていたオール固体コンデンサとLow RDS(on)MOSFETで構成される。高品質コンポーネントで発熱を抑えるという機能だ。

Ultra Durableの新バージョン。「防熱」「防湿」「防静電」「防電断」から構成され、UD4とUD4 Classicとの違いは、2オンス銅箔層か通常の1オンス銅箔層かの違い

防湿は、UD4から採用された新たな機能で、PCB基板を構成するクロスを、従来のものより目の細かなものに切り換え、PCB基板内に水分が染みこむことを防ぐ。湿度の高い日本や東南アジアの夏に、効果を発揮するという。

PCBの繊維に高品質で目の細かなものに交換。防湿性を得た

防静電は、これもUD4の新機能にあたり、高ESD抵抗ICを用いることで、静電気による故障を防ぐというもの。一般的な製品では、1.5~2kVのICチップが用いられているが、同社のマザーボードでは最大で8kVのチップが採用されているとのこと。平均でも3~4倍の容量を持たせることで、その先にあるチップを保護するという。

高ESD抵抗ICを採用し、静電気放電に対するプロテクションを高めた

防電断は、抗サージ特性ICにより回路レベルで電断による損傷を防ぐほか、Dual UEFIのような冗長化機能によっても護られる。