スペイン・バルセロナで開催された、世界最大のモバイル見本市「Mobile World Congress 2012」において、パナソニック モバイルコミニュケーションズは、欧州市場向けのスマートフォンの新ブランド「ELUGA」を公開。今回のELUGAで海外市場再参入を狙い、事業強化を図っていきたい考え。

パナソニックブース

流れ落ちる水を前に端末をアピール

ELUGAブランドとして投入されるのは、欧州向け製品では少ない防水・防塵性能(IPX5/7・IP5X相当)を備えたスマートフォン。TIの1GHzデュアルコアCPU(OMAP4430)を搭載し、OSにはAndroid 2.3.5(Gingerbread)を採用する。OSは最新のAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich:ICS)に、今回にもアップデートする予定で、欧州での発売は4月。

第1弾のELUGA

ディスプレイは4.3インチqHD(960×540)液晶で、本体サイズ・重量は123×62×7.8mm・103g。1,150mAhのバッテリを内蔵する。対応する通信方式はGPRS/EDGE/HSPA/HSPA+で、Bluetooth 2.1+EDR、無線LAN、NFCなどを搭載する。

本体側面。丸みを帯びたエッジによってより薄さが際立つ。ボタン位置を工夫することで、使い勝手を損なわずに薄型化を実現した

本体上部

防水・防塵性能を備えながら7.8mmという薄型ボディを実現。通常のスマートフォンと変わらないデザインながら水やホコリに強いボディという点を訴求していた。NFCやカメラで撮影した画像を簡単にテレビにワイヤレスで送信できる機能、8メガピクセルのAF付きカメラなどの機能も備える。

パナソニックでは、製品のデザイン哲学として「フューチャークラフト」を掲げており、「あこがれを魅せる」「誠実に造り込む」「人を見つめる」「地球とともに」という4つの観点から製品をデザイン。その上でELUGAでは、「スリムフィット」をテーマにデザインしたという

もう1台出展されていたのが、参考出品として位置づけられる「ELUGA power」。5インチ1,280×720のHD液晶を搭載しながら、コンパクトなデザインを実現した。プロセッサは1.5GHzのデュアルコアCPUであるQualcomm「Snapdragon S4」を採用しており、その名の通り、「パワー」を重視した構成になっている。

ELUGA power

本体背面

本体側面

OSには最新のAndroid 4.0を搭載。Googleのデザインポリシーに従ってハードウェアキーを省き、ソフトウェアキーによる戻る、メニュー、ホームボタンを配置している。同じMWCで発表されたLGの「Optimus Vu」と同サイズの液晶だが、アスペクト比が異なり、ELUGA powerの方が一見して細身で、持ちやすさを重視している。現時点では開発中であり、ソフトウェアのチューニングや改良など、さらに改善を行った上で発売を目指す。「夏すぎには発売したい」(ブース説明員)考えだ。

同社では、欧州市場への再参入で、来年度には150万台の販売を目指し、15年度には1,500万台規模まで拡大したい意向を示している。今回の第1弾端末を皮切りにELUGAブランドを訴求し、目標を達成するために、今後さまざまな施策を打っていきたい考えだ。

5.3インチディスプレイを搭載したGALAXY Noteとの比較

国内で販売されている同社端末を展示し、来場医者に対するアピールを行っていた

(記事提供: AndroWire編集部)