スマートフォンで手軽に年賀状を作成

急速に普及するスマートフォンとタブレット型コンピューター。多くのユーザーが携帯電話からスマートフォンに移行して生活スタイルが変化するように、それまでノート型コンピューターが担っていた自宅でのWebページ閲覧やメールの送受信を、iPadに代表されるタブレット型コンピューターで行うようになった人も少なくないだろう。

そんなスマートフォン/タブレット型コンピューターの有効活用術として提案したいのが年賀状作成である。一度試しにさわってもらうとよくわかるのだが、指で画像やデザインをスイスイ動かしながら、質の高い年賀状を完成させる。ゲーム感覚で家族みんなで楽しみながら作成したり、通勤中の時間を利用して作ったりと、年賀状作成を通常とは違ったものにしてくれるのだ。

肝心の年賀状作成アプリは、同ジャンルの雄である「筆まめ」シリーズのスマートフォン/タブレット型コンピューター向けとなる「筆まめ年賀2012」をお勧めしたい。元々同社は2010年からiPhoneやiPad、Android用をリリースし、直感的な操作による年賀状作成を可能している。写真やイラストを用いた年賀状はもちろん、クリスマスカードやバースディカード向けのグリーティングカード、シンプルなフレームを選択すれば、応用性の高いカードも作成可能だ。

PC版レビュー 人名用外字も充実、抜群な宛名印刷の品質を誇る年賀状ソフト「筆まめVer.22」も合わせてご覧ください。

収録されている各コンテンツは無料版の「筆まめ年賀2012 for iPhone Lite/iPad HD Lite / Android Lite」と有料版の「筆まめ年賀2012 for iPhone/iPad HD/Android」では異なる。例えば無料版ではデザインが20種類(写真年賀状7種類/デザイン年賀状5種類/グリーティング5種類/フレーム3種類)だが、有料版では写真年賀状45種類、デザイン年賀状20種類、グリーティング17種類、フレーム23種類の計105種類も収録されている。よりオリジナリティあふれる年賀状を作成したい場合は有料版の選択も視野に含めよう(図01~05)。

図01 最初に作成する年賀状・カードのカテゴリーを選択する

図02 こちらは「写真年賀状」を選択。無料版の「筆まめ年賀2012 for iPad HD Lite」では7点収録されている

図03 こちらは「デザイン年賀状」を選択。無料版では5点収録されている

図04 クリスマスカードなどに使える「グリーティング」を選択。無料版では5点収録されている

図05 応用性の高い「フレーム」を選択。無料版では3点収録されている

これらのコンテンツを使って年賀状のデザインを作成するわけだが、操作自体は非常に簡単。背景画像やイラスト、デザイン文字から好みのアイテムを選択するだけだ。また、「筆まめ年賀2012 for iPad HD / for iPad HD Lite」では、4種類の異なるフォントを用いて自由に文字を挿入することもできる(図06~10)。

図06 デザイン編集画面から選択できる背景画像

図07 同じくデザイン編集画面から選択できるイラスト集

図08 同じくデザイン編集画面から選択できるデザイン文字

図09 文字入力も可能。文書入力後は使用するフォントや配色などを選択して体裁を整える

図10 イラストなどと同じくオブジェクトとして操作できるため、好きな位置にレイアウトできる

写真の挿入も簡単。使用するエリアをダブルタップするとデバイスに保存された画像が列挙されるので、そのまま選択するだけ。写真サイズは自動調整されるが、確定前なら拡大縮小、角度の調整も行える。また、ペンを使って直接画像に描き込んで、手書きメッセージやデコレーションで楽しんでもいいだろう(図11~13)。

図11 挿入エリアをダブルタップすると、デバイスに保存された画像を使用できる

図12 挿入した画像は自動調整されるが、ユーザーが拡大縮小、角度などを調整することもできる

図13 ペン機能を使えば写真をデコレーションすることも可能だ

作成した年賀状は、パソコンやスマートフォン、携帯電話に送信可能。基本的にはそのまま画像としてメールに貼り付けられるが、携帯電話の場合はハードウェア的な制限があるため、自動的にリサイズを行う「携帯にメール サイズ小」もしくは「携帯にメールサイズ大」を選択するとよい(図14~15)。

図14 年賀状の作成を終えたらメールで相手に送信することができる

図15 「携帯にメール サイズ大」を選択すると自動的にリサイズされた画像がメールに貼り付けられる

ハガキなどに印刷して相手に送る場合はプリンターによる印刷も選択できる。App StoreやAndroidマーケットから「Canon Easy-PhotoPrint」や「Epson iPrint」などお使いのプリンターにあわせたアプリケーションをダウンロードすれば、無線LAN経由で印刷することが可能だ。対応プリンターを所有していない場合は、「写真アルバムへ書き出す」で年賀状を画像として保存した後にコンピューターへ転送し、そのまま印刷するという手段を選択しよう。

面白いのがTwitterへの投稿機能。作成した年賀状をTwitpicにアップロードし、Twitter上でつぶやくというものだ。ダイレクトメッセージ機能はサポートされていないが、相互フォローしている友人などには、気持ちの込もったメッセージを送ることができる(図16~17)。

図16 無線LAN対応プリンター用アプリケーションをインストールすれば、直接印刷することも可能だ

図17 Twitterとの連携機能も用意されている。年賀状をTwitpicにアップロードし、Twitter上でつぶやくという仕組みだ

このように「筆まめ年賀2012」は印刷機能を備えているものの、郵便によるハガキではなく、年賀メールとして送るユーザーにピッタリのアプリである。加えて直感的な操作性はスマートフォン/タブレット型コンピューターの特徴を引き出しているので、手軽に年賀メールを送りたい方やコンピューターの操作が苦手な年配層にもお勧めしたい。

住所は知らないけどメールアドレスやTwitterのアカウントは知っている友人・知人に「筆まめ年賀2012」で、新年のあいさつや季節のあいさつを送ってみてはいかがだろうか。