シマンテックは11月1日、Android端末向けセキュリティアプリケーション「ノートン モバイルセキュリティ」に新機能を追加し、バージョンアップしたと発表した。同アプリケーションは1年版が2,980円、2年版が5,480円で、大手家電量販店などで11月18日から購入できる。

ノートン モバイルセキュリティの新バージョン。新たに盗難対策を追加する

ノートン モバイルセキュリティは、Android OSを搭載したスマートフォンなどで利用できるセキュリティアプリ。Androidを標的にしたマルウェアの検出・駆除、スパムSMSのブロック、フィッシングサイトなどへのアクセスをブロックするWebプロテクションといった機能を備えている。

今回追加されたのは、紛失時などに端末に対してSMSを送信すると大きなアラームを鳴らすことができ「スクリーム」機能とWebベースの盗難防止機能の2種類。

スクリーム機能では、指定のコマンドとパスワードをSMSで送信するだけ。マナーモードに設定していても音は鳴る

盗難防止機能は、Webサイトにアクセスしてログインすると、端末の現在地を過去10件までさかのぼって表示してくれるというもの。地図上に端末の位置が表示されるため、現在位置を把握しやすい。「紛失通知」機能によって、画面上に自由なメッセージを表示させることもできる。

Webベースの画面でAndroid端末の場所を表示できる盗難防止機能

実際の画面

さらに、端末のカメラ機能を使い、Web上からフロントカメラを起動して撮影を行って画像をアップロードする「スニークピーク」機能も備えた。これを利用すると、仮に盗難された場合に犯人の顔写真を撮影する、といったことも可能になる。

リモートから写真撮影できるスニークピーク機能

米SymantecのJanice Chaffin氏は、「脅威が高度化しているしている中、情報そのものが爆発的に増えている」と話し、その要因として携帯端末が拡大している点を挙げる。特にSNSの台頭やクラウドサービスなどによって、携帯端末でセキュリティの需要が増えており、こうした状況は「ビジネスにとっては好機」と強調する。

すでに公開されているノートン モバイルセキュリティは、Android Marketから100万以上のダウンロードされ、店頭では世界55社以上、国内では20社以上の店舗で販売されているという。

急増しているAndroid向けマルウェア

ノートン モバイル プロダクト マネジメント ディレクターCon Mallon氏は、「モバイル端末は、信じられないぐらい価値あるものになってきている」と強調。当初は少なかったモバイル向けの脅威も、サイバー犯罪者がモバイルを標的として注目するようになっており、マルウェアが増加しているという。同社の調査では、モバイル向けマルウェアの77%がバックドアを仕掛けるトロイの木馬型で、72%は有料のSMS番号に送信して金銭を奪おうとするものだったという。

「モバイル向けマルウェアは、単にPC向けのマルウェアのコピーではない」とMallon氏。「ここ4~6週間で出てきた」という新しい攻撃として「アタックタギング」を紹介する。これは、QRコードに仕込んだURLで攻撃サイトなどに誘導するという攻撃だという。Mallon氏は「PCにはなかった全く新しいタイプの攻撃」と指摘し、注意を喚起する。

メールで送られたURLにアクセスした場合、危険なサイトならブロックしてくれる

ブロックした理由の詳細も確認できる

ノートン モバイルセキュリティではスパムSMS/MMSを遮断する、危険なWebサイトへのアクセスをブロックする、マルウェアの侵入を防止するといった機能に加え、盗難防止機能などを追加し、さらなる高機能化を図っている。Mallon氏は「PCからインターネットへセキュリティなしにアクセスすることを推奨する人は誰もいない」のに対して、携帯端末ではセキュリティがなくても、「魔法の技術が守ってくれている」と感じている人がいると指摘。「PCと同じレベルの注意をモバイルでもしなければならない。さまざまなデバイスでセキュリティ対策は不可欠」と強調している。

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