矢野経済研究所は、国内のオタク市場に関わるビジネスの調査を2011年7月~9月に実施し、その概要を10月26日に発表した。同調査による「オタク市場」とは「一定数のコアユーザーを有するとみられ、オタクの聖地である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツ」とされている。

発表によると、「あなたは自分を『オタク』だと思いますか、もしくは人から『オタク』と言われたことはありますか」というアンケート項目に対し、有効回答者1万102人のうち2581人(25.5%)が「はい」と回答したという。

また、同社ではアンケートをもとに日本国内の「オタク」の人数を独自の方法で推計しており、それによると「オタクを自認する人の数は増加傾向で、日本におけるオタクの数は2285万人、およそ日本人の5人に1人と推計」されるという。

オタク市場をジャンルごとに見た場合に2010年度に特に拡大した市場としては、オンラインゲーム市場、恋愛シュミレーションゲーム市場、電子コミック市場、メイド・コスプレ関連サービスなどが挙げられている。

このうち、前年度比40.5%増とされるオンラインゲーム市場(市場規模2994億円)では、ソーシャルゲームのユーザー数やコンテンツ数の増加、スマートフォンの普及と対応コンテンツの増加が寄与したと分析している。

また、スマートフォンやタブレット端末の普及は、電子コミック市場(同540億円)にも影響を与えたとしており前年度比28.0%増となっている。

メイド・コスプレ関連サービス(同93億円)においても、一般層もターゲットとした入りやすい店舗や、老舗店舗の人気で拡大に転じ、前年度比10.7%増。

なお、同調査は、アニメ / 漫画(電子コミック含む) / ライトノベル / 同人誌 / プラモデル / フィギュア / ドール / 鉄道模型 / アイドル / プロレス / コスプレ衣装 / メイド・コスプレ関連サービス(メイド喫茶・居酒屋・マッサージ、コスプレ飲食店、コンセプトカフェ等) / オンラインゲーム / アダルトゲーム / AV(アダルトビデオ・DVD、ダウンロードコンテンツ含む) / 恋愛シミュレーションゲーム / ボーイズラブを扱う事業者および業界団体を対象に、同社専門研究員による直接面談および電話・FAXによるヒアリング、インターネットアンケートによって行われたもの。

今回のレポートの全文は、同社Webサイトで販売されている。販売価格は、A4版646ページ体裁で10万5000円。