韓国Samsungのフラッグシップ端末「GALAXY S II」の魅力について、開発担当のバン・ヨンスク氏、ウォン・ジュンホ氏、リ・スクキョン氏、ジョ・チョルホ氏、東アジア担当Senior Vice Presidentのチョウ・ホンシク氏に話を伺った。

前編では、筐体やUIなどデザインについて聞いた。後編では、国ごとのローカライズについて伺う。

Samsung Electronicsのバン・ヨンスク氏、リ・スクキョン氏、ウォン・ジュンホ氏

同じくジョ・チョルホ氏、チョウ・ホンシク氏

世界中で販売されるGALAXYシリーズだが、グローバルモデルでのUXをベースにして、各国で導入すべき機能を、各事業者と相談して入れていくというスタンスだという。こうした国ごとの違いは、アメリカ、中国、韓国、日本が対象となっているそうだ。グローバルモデルというのは欧州モデルがそれに該当する。

こうした国ごとのローカライズは、それぞれ「ケースバイケースで、OSまで手を入れる場合もあるし、アプリだけで済ます場合もある」(ジュンホ氏)そうだ。日本の場合、国内にデザインセンターを設置し、本社と協力して開発を行っている。グローバルモデルでは、世界各地で異なるユーザーからの声や課題を見つけ、それを解決しながら共通のUXを生み出しているという。

日本ユーザーからの要望に対しては、「UXに対して強い要請はなかった」(ジュンホ氏)というう。しかし、ワンセグの要望に対してはこれを搭載したほか、「プリインストールされているアプリが必要かどうか」という声があったそうで、社内的には、GALAXY S IIのターゲットとなる年齢層などを考慮してプリインストールするアプリなどを決めていたそうだ。

Androidを利用するうえで、当初は「(Googleとの)情報交換のスピードが遅く、対応が遅れたことがあった」(ジュンホ氏)というが、現在では改善され、韓国の本社や米支社、米Googleとが密接に情報交換をしているそうで、Androidを利用する際の不満は解消されているという。

チョルホ氏は、GALAXY S IIで初めてデュアルコアプロセッサを使ったが、「100%その実力を発揮できたかどうかはまだ分からない」と慎重にコメントし、Android OSだけでなく、ハードウェアの面からも改善の余地があったと話す。

Androidはほかのプラットフォームと異なり、OSのバージョンアップが速いこともチョルホ氏は指摘。「6カ月ぐらいで次のバージョンが出て、そこから製品化するので、あまり時間がない」とチョルホ氏。その短い時間で、どれだけの価値のある製品を出せるかが競争力という。

今回、GALAXY S IIでは自社開発のデュアルコアプロセッサを採用しているが、チョルホ氏は「いいものを選択するだけ」としており、グループ会社が作ったA5プロセッサが他社より優れているから選んでいると話す。例えばQualcommのSnapdragonに比べてマルチメディア関連機能が優れており、省電力で対応コーデックの種類が覆い、1080pの動画録画ができるなどといった点を例に挙げる。

Senior Vice Presidentのチョウ・ホンシク氏は、GALAXY SからS IIにかけての躍進について、「自分たちの力だけでここまできたとは思えない」と話し、「日本市場は(携帯)オペレーター市場」(ホンシク氏)であり、「あくまでドコモの力があった」と謙遜しつつ、「力が及ぶ限り(日本市場に)注力していきたい」と意気込む。

OSのカスタマイズについて、「カスタマイズはトレードオフで、OSのバージョンアップが難しくなる」と指摘。各国で要求されたカスタマイズをすべて導入すべきかどうかは検討課題で、「本当に必要な機能は考えるが、グローバルの視点で考える必要もある」と述べる。とはいえ、「差別化も必要」としており、そうしたバランス感を重視しているようだ。「日本化も大事だが、グローバルの視点も大事」(ホンシク氏)。

なお、ホンシク氏は、端末メーカーのライバルとして台湾HTCを挙げ、「技術力、開発力、販売力といった力がある」と指摘しつつ、「すぐ目の前のライバルというわけではないが、すごい力を持っている」と余裕を見せる。

Samsungは、韓国でもGALAXY S IIを大々的に売り出しており、特にアクセサリ類でも力を入れている。日本にはまだないアクセサリもあるが、GALAXY S IIからは国内向けにもアクセサリや周辺機器を集めている。「以前はアクセサリで失敗したが、今は専門の会社に頼んで作っている」(同)ということで、さらに拡充していきたい考えだ。

今回のインタビューでは、2月にスペインで開催された「Mobile World Congress 2011」で発表したGALAXY Tab(10.1インチ)に触れることもできた。iPad 2よりも薄く軽いボディになっている

こちらは、ひとまわり小さい8.9インチモデル