今回、ABC 2011 Summerの見どころを伺った日本Androidの会 理事長の丸山不二夫氏 |
日本Androidの会は、Androidに興味をもつすべての開発者及びユーザーを対象にしたイベント「Android Bazaar and Conference 2011 Summer(ABC 2011 Summer)」を7月17日に開催する。同イベントの実行委員長で、日本Androidの会の理事長でもある丸山不二夫氏に「頑張れ日本、頑張れAndroid!!」をテーマに開催する同イベントの見どころをお聞きしたので、紹介しよう。
まずは、そもそも日本Androidの会とはどういった団体なのかを簡単に説明しておこう。日本Androidの会は、2008年9月に設立した日本におけるAndroidの普及促進を目指すコミュニティだ。Android関連の技術情報を共有・蓄積し、開発者の養成と教育支援やAndroid関連ビジネスの活性化に取り組んでいる。また、活動理念として「自主、自立、分散」を掲げている。これは、個々の自主性を尊重する「自主」、自身の取り組みに責任を持つ「自律」、同会が方向性をコントロールせず自由に活動する「分散」という考え方で、この活動理念を基に様々なプロジェクトや取り組みが行われている。
基本的な活動はメーリングリストによる技術情報の公開と定期イベントの開催だ。会員は「現在、1万9千人くらい」とのことで、「Androidのコミュニティとしてはグローバルで見ても最大級」だという。
定期イベントは、毎月各所で定例会を開催、そして年に2回のペースで今回紹介するAndroid Bazaar and Conference(ABC)も実施している。同イベントは初回の動員500名を皮切りに、急速に規模を拡大しており、前回のABC 2011 Winterは2,000人超えを達成。そして、通算5回目となるABC 2011 Summerも既に3,000を超える申込を受け付けたという。
ABC 2011 Summerでは多様な切り口でAndroidを紹介!!
さて、過去最大の動員が見込まれるABC 2011 Summerだが、イベントのラインアップも過去最大級だ。16トラック・80セッションを超えるカンファレンス、70団体以上が集まるバザール展示が行なわれる。
会場となる東京・新宿区の早稲田大学 早稲田キャンパスの大隈記念講堂の大講堂で行なわれる基調/招待講演は、丸山氏の講演からスタート。続いて、早稲田大学の深澤良彰教授、根来龍之教授、総務省の谷脇康彦氏が登壇。さらに、GoogleのTim Bray氏からのビデオメッセージが上映される。このほか、グリーの伊藤直也氏、GMOインターネットの熊谷正寿氏、NTTドコモ、KDDIの担当者も登壇する。
展示関連では、東北の震災地でAndroid関連の開発を行なう企業が出展する。このほかにも、全国のAndroidの会 支部の取り組みを紹介する展示、学生向けやデザインに視点をおいた展示など様々な催しを予定している。また今回は「開発者寄りのトラックを増やした」(丸山氏)と言うとおり、端末メーカーやコンテンツプロバイダー、フリーランスの開発者が登壇する開発者向けのカンファレンスも充実している。
丸山氏は今回のABC 2011 Summerについて「ひとつの視点ではとらえられない、多様な切り口でAndroidを紹介している」と説明する。過去最大級のカンファレンス・展示では、携帯電話だけでなく、家電やロボット、eコマース、デザインなど多様な分野を扱っている。来場者は自身の興味のあるカンファレンス・展示を探して、参加することで、Androidの最新の技術情報やトレンドに触れることができる。
また丸山氏は、今回のテーマである「頑張れ日本、頑張れAndroid!!」について、次のように語る。「今回の震災で『災害時に助けあうというマインド』が大事だと改めて感じた。これはAndroidの会のコミュニティの精神と共通だ」。今回の震災で生まれたコミュニケーションや連帯といった精神が、Androidを含むIT技術の分野にも刺激を与え、様々なシナジーを生むことができるとの考えだ。
日本Androidの会では、先の震災後すぐに、被災者支援・復興支援を発表。継続的な募金活動や災害用アプリの作成を行っている。今回のABC 2011 Summerでは、Androidの最新情報はもちろん、同会が行なうこれらの取り組みを実際に体感することが可能だ。興味のある方は是非参加してみるとよいだろう。
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なおABC 2011 Summer特設サイトでは、イベント当日に役立つAndroidアプリ、スマートフォンサイトを紹介している。ABC 2011 Summerに参加される方はぜひ一読頂きたい |