E3の番外地、レトロゲームコーナーに高尚な大人の趣味を見る

展示会場レポートの最後に、オマケとして「レトロゲーム」コーナーでの展示内容を簡単に紹介しよう。多くは語らないが、写真を見て懐かしさを感じるユーザーは多いはず。E3を取材していた別のライターは「おっさんホイホイ」とこのコーナーを形容していたが、「よくもまあ、これだけ集めて並べたものだ」と感心せざるを得ない。「昔は高くて手が出せなかったゲームも、いまなら思う存分遊べる」と展示ブースの解説員の1人が話していたが、なるほど、昔の憧れを「大人のおもちゃ」として楽しむコーナーなのだろう。

E3会場に突如出現したレトロゲーム(筐体)コーナー。Atari初期のゲーム機のほか、懐かしのベクターグラフィックディスプレイ搭載ゲーム機などが見られる

こちらも懐かしのゲーム機「Lynx」。残念ながら日本ではほとんどお目にかかることさえなかった

しかし並べてみると、オールドゲーム機やオールドゲームの多くは日本製だったことがわかる。ゲーム開発の主軸が欧米に移って久しいが、こうした過去の楽しい思い出が「過去の栄光」と言われないよう、メーカーには今後もどんどん新しい作品やチャレンジを続けてもらいたい。

ここからは日本で馴染みのレトロゲーム機から紹介。セガの「マスターシステム」。画面で動いているのは『Altered Beast(獣王記) 』。「メガドライブ」ではローンチタイトルになったゲームだ

「メガCD」。こちらのパッケージは「SEGA CD」になっている

任天堂の「バーチャルボーイ」も展示されている。シャッター式画面切り替えや視差バリアを利用した液晶ディスプレイではなく、両目に別個のディスプレイを搭載する方式を採用している

「セガサターン」とパナソニックの「3DO Real」。「セガサターン」は比較的新しい世代のゲーム機なので多くを語る必要はないだろう。17年前の話というのが驚きだ

「Sega Neptune Prototype」とあるが、おそらくはメガドライブ用オプションの「スーパー32X」のこと。サターン発売の直前にリリースされたもので、メガドライブに装着することで32bit機並みのパフォーマンスを発揮できる(「Neptune」はセガサターンの海外展開名だと思われる)

「Nintendo Entertainment System(NES)」は「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」の海外展開名。筐体サイズが日本のものより大きいのが特徴。だが現在海外で活躍している任天堂ファンは、この時代にNESやスーパーマリオに触れた世代なのだろう

「Turbo Graphics 16」と書かれたゲーム機。PCエンジン後期に登場したターボグラフィックスだが、こちらもほとんどソフトはリリースされず、普及することはなかったと記憶している

日本版のファミコンも展示。その横には「ツインファミコン」が展示されている。ファミコン世代はデパートのおもちゃ屋までディスクの書き換えに行った人も多いだろう

昔懐かしいアップライト型筐体にオールドゲームを入れてプレイ。いまでも米国では寂れたゲームセンターや街角の休憩コーナーでこうしたオールドゲームの筐体を見かけることがたまにあるが、ちょっとした贅沢な遊びだろう

Arcade Worksというベンチャーが開発したゲーム機。MVSに準拠した「Omega Entertainment Machine」ということだが、MVSとはSNKの「NEOGEO(ネオジオ)」のこと