COMPUTEX TAIPEI 2011における自作パーツの目玉は「Intel X79 Express」「AMD A75 FCH」という2つの新チップセットであり、その搭載マザーボードだ。本稿ではLlano対応のAMD A75 FCH搭載マザーボードをまとめて紹介しよう。

A75は、AMDのFusion APU第2弾となるコードネーム「Llano」のデスクトップ版に対応するチップセットだ。Llanoは現在既に投入されているFusion APU「Bobcat」の上位にあたる。COMPUTEX期間中に開催されたAMDの発表会での発言や資料によると、デュアルコア~クアッドコアのCPUとDirectX 11対応のRadeon HD 6000シリーズGPUが統合され、E2/A4/A6/A8という4つのラインナップで登場するとされる。Llanoの投入は「間もなく」とだけアナウンスされているが、一部のマザーメーカーでは今年の6月末~7月初め頃にはマザーボード製品を投入できるのでは、と予想しているようだ。

デスクトップ版Llanoを搭載するための「Socket FM1」。写真は「ASRock A75M-ITX」のもの

今回、マザーボードの製品情報や各メーカースタッフからの「AMD A75」に関する情報をまとめると、ソケット形状は「Socket FM1」。現行のPhenom等と同様のPGA式だがひとまわり小さく、ソケットの中央に空きスペースがあるのが特徴的だ。メモリはDDR3のデュアルチャネルに対応。USB 3.0をチップセットでサポートするとされている。また、Llanoに統合されるグラフィック機能はRadeon HD 65XXまたは64XXで、その統合グラフィックの新機能として「AMD Steady Video」がサポートされるという。このAMD Steady Videoは、映像のポストプロセス段階でジッタを除去する機能とのこと。では各社のAMD A75マザーボードを見ていこう。

「A75 Extreme6」はASRockのA75マザーのハイエンドモデル。ATXで拡張スロットはx16×3、x1×1、PCI×3。3-way CrossFireXをサポート。DDR3メモリスロットは4本で最大32GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-Sub、DVI-D、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計6ポート)、eSATA、IEEE1394等

「A75 Pro4」はASRockのA75マザーのメインストリーム向けモデル。ATXで拡張スロットはx16×2、x1×2、PCI×2。2-way CrossFireXをサポート。DDR3メモリスロットは4本で最大32GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-Sub、DVI-D、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)、eSATA、IEEE1394等

「A75 Pro4-M」はASRockのマイクロATX上位モデル。拡張スロットはx16×2、PCI×2。CrossFireXもサポートしている。DDR3メモリスロットは4本で最大32GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-Sub、DVI-D、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)、eSATA等

「A75M」はASRockのマイクロATXスタンダードモデル。拡張スロットはx16×1、x1×1、PCI×2。DDR3メモリスロットは2本で最大16GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-SubおよびHDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)、eSATA等

「A75M-HVS」もASRockのマイクロATXモデル。拡張スロットはx16×1、x1×1、PCI×1と少ない。DDR3メモリスロットは2本で最大16GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-SubおよびHDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)等

「A75M-ITX」はASRockのMini-ITXモデル。拡張スロットはx16×1のみ。DDR3メモリスロットは2本で最大16GB、サポートは1866(OC)まで。ディスプレイ出力はD-SubおよびHDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)、eSATA等

「F1A75」はASUSTeKのATXスタンダードモデルと見られる。拡張スロットはx16×2、x1×2、PCI×3。2-way CrossFireXをサポート。DDR3メモリスロットは4本

「F1A75-I DELUXE」はASUSのMini-ITXマザーの上位モデル。拡張スロットはx16×1。DDR3メモリスロットは2本。下位モデルとレイアウトは似ているが、より大きなヒートシンクを搭載

「F1A75-I」はASUSのMini-ITXマザーのエントリーモデル。拡張スロットはx16×1。DDR3メモリスロットは2本

「F1A75-M」はASUSのマイクロATXモデル。拡張スロットはx16×2、x1×1、PCI×1。CrossFireXもサポート。DDR3メモリスロットは4本。ディスプレイ出力はD-Sub、DVI-D、HDMI

「A75F-A」はECSのATXスタンダードモデル。拡張スロットはx16×2、x1×2、PCI×3。DDR3メモリスロットは4本で最大32GB、サポートは2133(OC)まで。ディスプレイ出力はDVI、D-Sub、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計2ポート)、eSATA等

「A75F-M」はECSのマイクロATX。拡張スロットはx16×1、x1×1、PCI×2。DDR3メモリスロットは4本で最大32GB、サポートは1866まで。ディスプレイ出力はDVI、D-Sub、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)等

「A75F-M2」もECSのマイクロATXモデルだ。拡張スロットはx16×1、x1×2、PCI×1。DDR3メモリスロットは2本で最大16GB、サポートは1866まで。ディスプレイ出力はDVI、D-Sub、HDMIで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)等

「GA-A75M-UD2H」はGIGABYTEのマイクロATX。拡張スロットはx16×2、PCI×2。DDR3メモリスロットは4本で最大16GB、サポートは1866+まで。ディスプレイ出力はHDMI、DL-DVI、DP、D-Subで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計4ポート)等

「GA-A75-UD4H」はGIGABYTEのATX。UD4Hという型番からシリーズ中のミドルクラスとみられる。拡張スロットはx16×2、x1×3、PCI×2。DDR3メモリスロットは4本で最大16GB、サポートは1866+まで。ディスプレイ出力はHDMI、DL-DVI、D-Subで、その他1000BASE-T LAN、USB 3.0(計8ポート)等

「A75A-G35」はMSIのATXマザーボード。GD35という型番は同社の製品では各チップセット搭載シリーズにおけるエントリーモデルに用いられる名称だ。拡張スロットはx16×2、x1×3、PCI×2。DDR3メモリスロットは2本。ディスプレイ出力はD-Sub、DVI、HDMI

「A75MA-G55」はMSIのマイクロATX。拡張スロットはx16×2、x1×1、PCI×1。DDR3メモリスロットは4本。ディスプレイ出力はHDMI、DVI、D-Sub