富士通は5月10日、地域の医療機関を対象としたSaaS型の地域医療ネットワーク「HumanBridge(ヒューマンブリッジ)」の提供を開始した。

同社は電子カルテシステムや医療事務システムなど、健康や医療、介護分野において各種システムを提供しているが、今回提供されることになった同ソリューションは、「PHR(Personal Healthcare Record: 国民一人ひとりの健康情報全般を統合)」と「PLR(Personal Life Record: 生活情報全般を統合)」を実現するためのクラウド型ヘルスケアソリューションの第一弾として位置付けられている。

「HumanBridge」はSaaS型のため、地域の医療機関が新たに地域医療ネットワークシステムを構築する必要がなく、既存の電子カルテシステムを利用しながら低コストかつ短期間に導入できるメリットがある。

電子カルテシステムに登録された患者のデータは、各医療機関に設置されるゲートウェイサーバに保管される。このサーバは、万全とされるセキュリティ対策が施された同社のデータセンターとリアルタイム連携し、このデータセンターを「中継センター」としてデータのやりとりが行われるため、医療機関側は安心してサービスを利用できるという。

「HumanBridge」の提供価格は月額10万円~(税別。中継センターとして富士通のデータセンターを利用する場合のハード/ソフトを含む価格)となっており、同社は2012年度末までに累計300医療機関への導入を目指すとしている。

なお、患者のデータが登録された各医療機関の電子カルテシステムへの接続にはゲートウェイとなるサーバの導入が別途必要となり、この接続のための費用は1000万円~とされている。

SaaS型の地域医療ネットワーク「HumanBridge」の概要