シャープは26日、液晶テレビAQUOSクアトロンの新シリーズ「Z5」を発表した。Z5シリーズのラインナップは、LC-60Z5(60V型)/LC-52Z5(52V型)/LC-46Z5(46V型)/LC-40Z5(40V型)の4モデル。また、クアトロンではないLED AQUOSの「V5」シリーズも同時発表。V5シリーズは、LC-52V5(52V型)/LC-46V5(46V型)/LC-40V5(40型)/LC-32V5(32V型)/LC-26V5(26V型)/LC-20V5(20V型)の6モデル。いずれも、発売は3月10日。価格はオープンで、市場価格はLC-60Z5が48万円前後、LC-52Z5が33万円前後、LC-46Z5が26万円前後、LC-40Z5が18万円前後、LC-52V5が29万円前後、LC-46V5が22万円前後、LC-40V5が14万円前後、LC-32V5が9万円前後、LC-26V5が8万5,000円前後、LC-20V5が7万円前後と予想される。
Z5シリーズは、新開発のハイスピードUV2Aパネルを採用した、3D対応モデル。240Hz駆動も採用されている。本体にトランスミッター(映像と同期を取るための信号を3Dメガネに送る機構)は装備しているが、3Dメガネはオプション。同社によると、将来的に3D化を見据えたテレビの需要が高まっているため、こういった構成にしたとのことだ。AQUOSクアトロンは、通常の液晶パネルが、RGBの三原色で構成されているのに対して、RGBにYを加えた4原色でパネルを構成しているのが特徴。エメラルドグリーン、パステルカラーなど、一般の液晶パネルが苦手とする中間色などでも高い表現力を持っている。一方のV5シリーズは、UV2Aパネルを採用した2D専用モデル。V5シリーズの32V型~20V型までは1,366×768画素のハイビジョンパネルで、それ以外のモデルはフルハイビジョンパネルを採用する。両シリーズとも、バックライトはエッジ配置のLED。
ブルーレイ3Dに使用されるフレームシーケンシャル方式では、クロストークを抑えるために、パネルには高い応答性が求められる。液晶パネルでは、バックライトからの光を液晶分子が遮ることで色を表現している。そのため、液晶分子の応答速度が、パネル全体の速度を左右することになる。同社が以前に採用していたASV方式では、各セルの液晶の分子は、リブやスリットにより制御されており、そこに近いものからドミノ倒しのように順々に向きを変えていた。しかし、UV2A技術による液晶パネルでは、液晶分子を面で応答させることが可能になり、すべての分子が一度に向きを変えることで高い応答性を実現している。今回のZシリーズに採用されているパネルは、従来のUV2Aパネルよりもさらに応答性を高めた「ハイスピードUV2Aパネル」。応答伝播の速度を向上させるためのセル構造の改良、液晶素材の粘性の低下などが行われ、平均応答速度3ミリ秒を実現している。これにより、LV3シリーズに比べて、クロストークの発生を約70%削減しているという。
Z5/V5シリーズでは、全機種、USB接続タイプの外付けHDDへの録画に対応(搭載しているチューナーは1基なので、録画中に別のチャンネルに変えることはできない)。また、ポータブルHDDへのUSBポートからの電源供給にも対応しており、その場合、HDDはUSBケーブル1本だけで運用可能だ。ポータブルHDDは、エレコムの展開するLaCieブランドとのコラボ製品も用意される(LCH-RK500UTV)。同製品には、16V型~32V型のAQUOSの背面に、HDDを取り付けるための金具(VESAマウントのねじ穴に固定するタイプ)も付属する。また、HDDはハブを利用することで同時に4台まで使用可能。
ネットワーク機能も強化。番組試聴の邪魔になりにくい画面の左下に「Yahooo!ニュース」「ウェザーニュース」「TSUTAYA TV」などからの情報や、今日明日のおすすめ番組といったテレビ情報を表示する「AQUOSインフォメーション機能」を新採用している。テレビ番組を見ながら、情報をチェックすることが可能だ。AQUOSインフォメーション機能の[詳細情報]を選択することで、より詳しい情報を表示することもできる。また、「見守りサービス」機能も搭載。これは、離れた場所に設置したテレビの利用状況をメールで知らせるというもの。
本体の薄型/小型化も図られており、Z5シリーズは、左右のフレーム幅25mm、最薄部27mmの狭額スタイルとなっている。また、両シリーズとも、本体だけでなく梱包も小型化。40V型のモデルでも、コンパクトカーで持ち帰りが可能、さらに20V型のモデルでは、箱に取っ手が付けられており、そのまま手で持って帰ることも可能だ。