BCNは13日、全国の大手家電販売店から収集した実売データを集計する「BCNランキング」にもとづいた、家電販売動向の分析結果を都内にて発表。携帯オーディオ分野に関しては、BCNアナリストである道越一郎氏が解説した。

iPod nanoの不振が明暗を分けた…?

携帯オーディオ市場は、前年比微増ながら、単価は維持できている状況。依然として、ソニーとアップルという携帯オーディオ2強による寡占状態が続いているが、2010年9月の新製品発表以降、販売台数・金額ともに昨年割れが続くアップルに対して、好調なのがソニー。2009年12月~2010年12月の期間では、販売台数・金額前年同月比ともに常に高い伸び率を示している。

販売台数・金額前年同月比と平均単価。左がアップルで、右がソニー

主要シリーズ別販売台数構成比・平均単価。iPod touchは伸びている

また、12月には販売台数シェアでソニーが、アップルの新製品発表前の集計時(8月)以来、再び逆転しトップに。販売金額シェアでも、12月時点でアップルが52.6%、ソニーが45.7%と接近しており、「もしかしたら、金額でも逆転することが出てくるかもしれない」と道越氏は話す。

逆転劇の大きな要因になっているのが、これまで堅調だったiPod nanoの不振。一番の売れ筋が「iPod nanoからWALKMAN Sシリーズに切り替わっている」状態で、「個人的には事件だと思う。新型のiPod nanoを小さくしすぎたことで、新UIやiPod shuffleと似通ってしまう外観など製品自体の魅力がかなり落ちてしまったのではないか」(道越氏)。好調なiPhoneの影響ももちろん大きいと思われるが、今後ソニーがどこまで存在感を増せるのか注目だ。