9月1日、ヤマハは、デジタルサウンドプロジェクター「YSP-2200」を発表した。発売は10月下旬。価格はオープンで、市場価格は9万円前後。

2ピース構成としたことで、設置する場所を気にせず使えるようになった、リアル7.1chのデジタルサウンドプロジェクター

YSP-2200は、センターユニットとサブウーファーとが分離した、2ピースタイプのサウンドプロジェクター。サウンドプロジェクターは、搭載された複数の小型スピーカーからの音をビームとしてまとめて、フロント、センター、サラウンド、サラウンドバックなどのチャンネルを作り出すシステム。従来のサウンドプロジェクターでは、本体にビーム用スピーカーとウーファーとが内蔵されていた。また、それに加えてサブウーファー端子が装備されており、後付けで、サブウーファーを追加することも可能だった。YSP-2200はそれらとは異なり、センターユニットにはウーファーは内蔵されておらず、あくまでもサブウーファーとセットで、1つのシステムとなる製品。

2ピースにしたのは、センターユニットを薄型化するため。ビームスピーカーは、2.8cm径~4cm径と、さほど大きいものではないが、ウーファーユニットは、10cm径~16.8cm径とそれなりの大きさを持つ。ウーファーユニットを内蔵した場合、どうしてもキャビネットのサイズ(とくに高さ)が増してしまい、テレビのリモコンの受光部や、最近では各種センサー類などをふさいでしまう可能性がある。センターユニットは、944(W)×79~89(H)×145(D)mmというサイズ。ウーファーを除くことで、テレビの前に設置できるサイズを実現しているわけだ。高さが79mm~89mmと可変式になっているのは、テレビのスタンドの足部分をよけるため。サブウーファーは、435(W)×137(H)×350(D)mmというサイズで、立て置き/横置きに対応する。横置きにした場合、一般的なAV機器に近いサイズとなり、ラックの中に収納することも可能だ。

同社では、同様のスタイルを持つシアターシステム「YHT-S400」を、昨年の10月に発売している。しかし、YHT-S400は、構造的には2.1chのシステムで、「AIR SURROUND XTREME」というバーチャルサラウンド技術によって、マルチチャンネル再生を実現していた製品だった。それに対して、YSP-2200は、YSP-4100/5100などと同様に、リアル7.1chの再生が可能なモデル。シネマDSPが利用可能なほか、Dolby TrueHD、dts-HDといったHDサウンドにも対応するなど、機能的には、YSP-4100/5100とほぼ同等。ただし、センターユニットが薄型となっているため、ビームの縦方向の位置が固定となっており、YSP-4100/5100のような調整機能は搭載されていない。HDMI端子は、3入力/1出力を装備。3D映像の伝送や、ARCにも対応する。実用最大出力は、132W(2W×16+100W×1)。