Research In Motion(RIM)は、創業26年目の今年、第1四半期のスマートフォンシェアでNokiaに次ぐ世界第2位となった。ベンダー別シェアでもNokia、Samsung、LG Electronicsに次ぐ世界第4位の位置を獲得している。多くのユーザーに支持されるRIMの歴史を、提供端末と共に振り返ってみた。
RIMは1984年にカナダ・ウォータールー大学の工学科の学生だったMike Lazaridis氏(現・社長兼共同CEO)と同学生だったDouglas Fregin氏により設立された。同社は当初、ワイヤレスのパケット通信Mobitex技術に関連した開発を行っており、88年に世界で2番目のMobitexネットワーク製品のベンダーとなった。92年にはMobitexを利用したPOSソリューションを発表し、2000年代初頭までMobitexによるデータ端末を開発していた。なお、Mobitexは低速なデータ転送技術だが、常時利用できる無線ネットワークとしては世界初と言われ、特に信頼性の高さがメリットとされている。
RIMが発表したMobitex技術を利用したデータ端末 |
Inter@ctive |
Mobitexが一般開放されたあとの96年には、双方向ページャ(ポケベル)機能を備えた「Inter@ctive」を発表。同端末で、プッシュ型のEメールサービスの提供を開始し、テキストベースのコミュニケーションを可能とした。続いて98年には、液晶画面とキーボードを備え、現在のBlackBerryにも通じるスタイルの「RIM 950 Wireless Handheld」を発表した。
99年、同社は米国NASDAQに上場。端末として「RIM 850 Wireless Handheld」とともに、「BlackBerry Wireless Solution/Enterprise Server software for Microsoft Exchange」を発表。初めてBlackBerryブランドが世に登場した。
RIM Wireless Handheld 850/950 |
RIM 857/957 |
その後、2000年には「RIM 957 Wireless Handheld」でJavaに対応、01年にJ2MEプラットフォームの発表と続き、いよいよ02年にはGSM/GPRS対応のデータ・音声対応端末「BlackBerry 5810」、スピーカーとマイク搭載、国際ローミング対応の「BlackBerry 6710/6720」を発表。携帯端末としての「BlackBerry」が初めて登場した。縦長のボディの上部に液晶画面、下部にキーボードという現在のスタイルが登場したのもこの年からだ。
BlackBerry 5810 |
BlackBerry 6700シリーズ |
この02年にモバイルデータサービスに対応したことで、外出先から社内ネットワークにアクセスするような機能が実現できるようになり、企業ユーザーへさらなる訴求が図れるようになる。