シマンテックは、子供のオンライン利用に関する実態や保護者の認識・理解をまとめたグローバル調査結果「ノートン オンライン ファミリー レポート 2010」を発表した。調査結果では、親子ともにインターネットの危険性などの認識はあるものの、いくつかの点で認識の違いもみられた。特に日本では保護者の無関心が浮き掘りとなっており、そのような背景を受け、「ノートン オンライン ファミリー」の無償での提供を開始した。ノートン オンライン ファミリーは保護者の意見をもとに開発されたソフトウェアで、子供たちを危険から守り、インターネットで何をしているのかをいつでもどこからでも確認することができるものだ。本稿では、ノートン オンライン ファミリーの使用方法などを紹介する。
ノートン オンライン ファミリーのインストール
ノートン オンライン ファミリーは、正式版サイトから無償で登録できる(図1)。
このWebページからオンラインでサインアップを行う。この際にメールアドレスが必要になるのであらかじめ準備しておく。携帯電話やスマートフォンのような常時メールをチェックできる環境だと、より便利だろう。図1で、[今すぐに登録]をクリックすると、ノートン オンライン ファミリーのより詳しい情報が表示される(図2)
さらにここから[今すぐサインアップしてください。無料です!]をクリックする。サインアップ画面が表示されるので、必要事項を漏れなく入力する(図3)。
次いで、アカウントの設定となる(図4)。
まずは保護者の設定である。[お名前]では本名でもいいが、パパやママなども設定できる。あとは適切なアバターを選択しよう。[次へ]をクリックする。今度は子供たちの設定となる(図5)。
名前、性別、生年、アバターなどを適切に設定する。複数の子供がいれば、[子供の追加]でさらに設定する。設定が完了すると、Norton Safety Minderのインストールとなる(図6)。
Norton Safety Minderは、子供が使用するPCに常駐し、活動を監視する。同じPCを使用するのであれば[今すぐインストール!]をクリックする。別のPCならば、Norton Safety Minderをダウンロードし、後で子供のPCにインストールする(Windows版とMac版があるので注意)。以上で、ノートン オンライン ファミリーのサインイン画面となる(図7)。
ここで、各種設定を行うのであるが、まずは子供のPCの設定をしておこう。
子供のPCの設定
Norton Safety Minderのインストールの前に、どのようなことをするのか、さらにはルールを親子で話し合い決めておこう。ここが最も重要なポイントになる。そして、つねにルールの見直しも親子で相談し、修正していくことが求められる。では、インストールに戻ろう。先ほど、ダウンロードしたNorton Safety Minderを実行する。インストーラが起動する(図8)。
次に、インストールを行うPCは、子供が使うかの確認となる。[はい]をクリックする(図9)。
[同意してインストール]をクリックすると、インストールが開始される。
途中、ノートン オンライン ファミリーのアカウントでサインインする(図11)。
次いで、子供ログオン方法が確認される。PCのユーザー名と子供の名前を一致させるものだ(図12)。
さらにコンピュータ名を設定する(図13)。
以上でインストールは完了である(図14)。
再起動すると監視中というメッセージが表示される。
決めたルールをもとに制限を設定
ルールを定めたら、それに従い制限を設定しよう。ノートン オンライン ファミリーにサインインし、図7から[設定]をクリックする(図15)。
いくつかあるが、本稿ではWebサイト制限と時間制限を紹介する。まずは、[Web]で遮断したいWebサイトを設定する(図16)。
ここではカテゴリ別に設定をしているが、特定のWebサイトを遮断・許可といった設定も可能である。ここでは、[サイトを遮断する]にしているが、警告を表示し閲覧を許すことも可能である。同様に時間では、図17のように使用を遮断する時間帯や合計時間を設定できる。
ここでも、使用時間帯を過ぎてしまった場合でも、PCをロックしないといった設定が可能である。活動報告は行われるので、それを見てから話し合うといった方法もとれる。やみくもに遮断したり、PCのロックを行うことで、かえって信頼関係を損なってしまわないように注意したいものだ。設定が完了したら、ページの下の方にある[設定の保存]をクリックする。
子供の活動とその監視
そして子供のPCで、Webサイト設定で遮断されているカテゴリを閲覧しようとした場合、図18のような画面となる。
成人には読みにくいかもしれないが、子供用の警告なので、ひらがななどが多用されている。ここで注目したいのは、子供がこのWebサイト見たい場合には、その理由を伝えることができる点である。実際にその理由を入力しているのが、図19である。
子供の活動は、すべて監視される。遮断Webサイトにアクセスしようとすると、以下のようなメールが届く(図20)。
また、先ほどの伝言もすぐさま届く(図21)。
届いたメールには実際のURLなども記載されており、すばやく確認することができる。さらにノートン オンライン ファミリーへの移動も行え、設定変更をすばやく行うこともできる。そして、サインイン画面から[活動]を選択すると、子供がどんなことをしたかがすべて記録される(図22)。
どんなWebサイトを閲覧したのか?どんな検索を行っているのか?そのすべてがわかるようになっている。検索内容からは、子供がどういうことに興味があるかなどもわかるだろう。その内容から、あらかじめ予防策を講じることも可能となる。ノートン オンライン ファミリーでは、これ以外にもソーシャルネットワークやチャットなどの監視を行うことができる。ソーシャルネットワークでは、自身のプロフィールなどを紹介する機能がある。この情報が狙われることが少なくない。子供がどんな情報を公開しているのかが確認できる。もし、不適切な情報公開があれば、すみやかに公開停止にすることができるだろう。
ノートン オンライン ファミリーの機能の多くは、いわゆるフィルタリングソフトとほぼ同じである。しかし、大きく異なるのは、子供の行動をすべて禁止するというものではない点である。子供の言い分もあるだろう。それらに耳を傾け、お互いに守ることができるルールを構築していくことが求められる。