東芝は、ノートPC発売25周年を記念した2010年夏モデルを発表。13.3型スリムコンパクトノート「dynabook RX3」、液晶一体型AV PC「dynabook Qosmio DX」、新インターネットデバイス「dynabook AZ」、2画面タッチパネルを搭載した「libretto W100」の4モデルを投入した。
13.3型スリムコンパクトノート「dynabook RX3」
dynabook RX3は、「進む低価格化、デスクトップPCに迫る高性能、ネットブックやネットノートの出現によって求められる小型・軽量という3つの要素を追求した製品。軽量筐体堅牢化技術、新空冷技術という東芝の先進技術を活用することで高性能とコスト削減を両立した。先端技術を、世界中の多くの人にお届けしたいという強い想いを込めたもの。今回発表した4モデルのなかで、最も売れる製品になるだろう」(東芝の執行役上席常務 デジタルプロダクツ&ネットワーク社社長の深串方彦氏)とした。
また、東芝 デジタルプロダクツ&ネットワーク社 PC第一事業部・長嶋忠浩事業部長は、「世界一の軽さを実現したのは軽量筐体堅牢化技術、新空冷技術によるもの」として技術面から補足した。
軽量筐体堅牢化技術には、従来の線形リブ構造を改良し、6角形のリブにより構成されたハニカムリブ構造を採用することで、約24%の強度を実現。左右斜め方向からの荷重にも強い筐体を実現したという。また、新開発の真空鋳造技術を用いることで、複雑な6角形のリブ形状の筐体を大量生産することが可能で、同時に真空状態とするため空気などの粒子を排除でき、強度が劣化しないというメリットも実現した。
新空冷技術は、Intelと共同開発した新たな冷却技術で、冷気の通路を作り、冷気をダイレクトに発熱部材に送る市区もとなっている。「筐体内部の温まった空気をファンが吸い出すのではなく、底面から冷気を吸い込み、発熱するパーツを冷やす仕組み。これにより、高性能CPUを軽量薄型の筐体に搭載することが可能になった」という。
液晶一体型AV PC「dynabook Qosmio DX」
液晶一体型AV PCのdynabook Qosmio DXは、「東芝がデスクトップ市場に参入したものではない。デスクトップPCが、ノートPCに近づいてきたものである」(深串氏)と位置づけ、ノートPCで求められる省スペース、省電力、デザインを生かした製品づくりを行ったという。
「CELL技術応用の映像専用エンジンSpurs Engineにより、世界最速となるBlu-rayのダビングや、ぼやけているシーンもクッキリと描画しシャギーを軽減する超解像度技術を実現。HDMIをはじめとする豊富な入力インタフェースにより、テレビと同じ感覚で使えるのが特徴」(長嶋事業部長)とした。
新インターネットデバイス「dynabook AZ」
新インターネットデバイスdynabook AZは、10.1型の液晶ディスプレイを搭載。世界初のクラムシェル型のクラウドブックと位置づけられる製品。Androidプラットフォーム、またNVIDIA Tegra 250を採用。さらにキーボートを搭載することで、「スマートフォンの機動性、PCの操作性、ネットブックよりも軽い小型、軽量を実現することができたインターネットユーザーのための新たなインターネットデバイスになる」(深串氏)とした。HDMI端子を搭載しており、大画面テレビにも接続が可能となっている。
2画面タッチパネル搭載のミニノート「libretto W100」
2画面タッチパネルを搭載したlibretto W100は、深串氏が「リブラーのみなさん、大変長らくお待たせしましたと言いたい製品」というように、第8世代となったlibrettoの自信作。世界初の2画面タッチパネルを搭載し、2画面ならではの新たな操作環境を実現しているのが特徴となる。
開くと7型相当の液晶ディスプレイを搭載したミニノートPCの形状となり、手前の画面は仮想キーボードとして利用できる。キーボードの形状は使い勝手にあわせて選択することができる。また、縦に持てば、電子ブックとしての利用も可能になる。
「ひとつの画面で本を読み、もうひとつの画面で言葉の意味を確認するといった使い方もできる。新たな利用を提案するデバイスになる」(深串氏)とした。
libretto W100では高密度実装技術を用い、8層2段構造の高密度基板を採用。過去最高となっていたdynabook RX2に比べて、面積で27%の縮小、厚みでは34%の削減を達成。7.0型のディスプレイ2画面を搭載していながら、約699gを実現している。