入学・就職の時期を迎えて、電子辞書市場が活性化している。各メーカーがカラー液晶モデルを投入してくる中、充実の収録コンテンツ数でひときわ目を引くのがカシオの「EX-word(エクスワード)」シリーズだ。今回は、その中でもビジネスユーザー向けに特化したモデル「XD-A8500」のレビューをお届けしたい。

ビジネスユーザー向けの130コンテンツを収録した「XD-A8500」

カラー液晶を搭載しながらも薄くて軽く、持ちやすい

XD-A8500を持って気付くのは、その薄さと軽さ、そして持ちやすさだ。普通、カラー液晶はバックライトが必要なことから、どうしても厚みが増えるもの。ところが、本機は閉じた状態でわずか18.9mm(最厚部)、これは驚くべきことに同社昨年のモデル(モノクロ液晶)より薄い。

しかも、バッテリーが昨年モデルの単4乾電池から単3乾電池に変更となり、電池寿命も増え150時間に。これに伴い重量は300g(電池込み)となったものの、増加分はわずか20g。これは単3と単4の重量差より少なく、十分に軽い。

単3乾電池が2本入っているとは思えない薄さ

本体のベベル処理と電池ボックス部のふくらみ具合が、絶妙の指掛かりの良さを生んでいる

そもそも、専用バッテリーではなく単3乾電池で駆動するというのがいい。もし使用中に電池が切れても、アルカリ単3乾電池なら世界共通規格だから、ほぼどこでも買うことができる。海外渡航の際、充電器や変換プラグ、変圧器が不要なのも嬉しい。一方、エコロジー志向の人には、エネループやエボルタの充電式電池を使うという選択も用意されている。

各所がベベル処理された本体デザインは、ボディをより薄く見せると同時に、ホールド感を向上させている。化粧パックのように角のないツルッとしたものもあるが、これは手が滑って落下させやすい(と個人的に思っている)ので、XD-A8500のようにスリムでありながら角を増やしたデザインの方が安心して持ち運ぶ気になれる。もっとも、それは落下・加圧・振動などから液晶や電子回路を守る衝撃吸収技術「TAFCOT(タフコット)」の心理的作用のおかげも大きいのだけれど。

付属のスタイラスペンは、右側面に格納して持ち運べる

検索時の文字入力だけでなく、漢字の読みを調べたり、漢検ドリルで勉強したりと、クイックパレットでの手書き入力を使う機会は多い。ストレスのない認識精度の高さは特筆もの

インタフェースは、QWERTYキーボードと上部のメニューキーを中心に、十字キー、さらにスタイラスペンを利用したキーボード手前の手書きパネル、そして画面左右のタッチアイコンが使える。最初は、どれをどう使えばいいのか迷うかもしれないが、使っているうちに、状況に応じて自分なりの使いやすい操作方法が見つかると思う。