富士通は3月31日、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」シリーズの新シリーズとして、インテルの最新CPU「Xeon プロセッサー 7500番台」を採用した「PRIMEQUEST 1000シリーズ」の販売を開始した。同日、同プロセッサを搭載した4WAYラック型PCサーバ「PRIMERGY RX600 S5」の提供も開始された。

執行役員常務を務める佐相秀幸氏は、「一部メーカーがOEMにシフトするなか、当社はデバイス・ユビキタス・ネットワーク・システム・ソリューションと、一貫した製品ラインアップを持っており、これらを自社開発している。この自社開発にこだわる姿勢をコアコンピタンスとして、顧客に対する責任を果たしていきたい」と話した。

中長期のサーバラインアップの方向性としては、メインフレーム・オフコン・IAサーバ・UNIXサーバとすべての顧客のマイグレーションパスを提供することが挙げられた。

佐相氏に続いて、インテルの代表取締役社長の吉田和正氏が登壇した。「当社は今日新たなCPU、Xeon 7500番台を発表したが、実際に新たなCPUを搭載したサーバを見て感激している。当社がエンタープライズ分野に明るくなかった頃から、当社と富士通は協業しておりその歴史は古い。富士通にはさまざまなアドバイスをもらっており、その技術は当社の製品に組み込まれている」と、富士通とインテルの密接な関係をアピールした。

インテル 代表取締役社長 吉田和正氏と富士通 執行役員常務 佐相秀幸氏

富士通 IAサーバ事業本部長 河部本章氏

PRIMEQUEST 1000シリーズの詳細については、IAサーバ事業本部長を務める河部本章氏から説明がなされた。

河部本氏は、「インテルとの協業は製品の構想段階から行われ、システム仕様を共同で検討する。もちろん、デバッグや品質確認も共同で行うが、国内にある当社の研究所に置いている試作機とまったく同じものをインテルのヘッドクォーターにも置いてもらっているため、日米で同時にデバッグを行うことができる。本来、ミッションクリティカルの製品は品質保証の作業に時間がかかるが、こうした協業体制により、今回はXeon 7500番台プロセッサのリリースと同時に同CPUを搭載するPRIMEQUEST 1000シリーズをリリースできた」と説明した。

今回、Xeon プロセッサー 7500番台を採用したことで、従来の「500Aシリーズ」と比べて、価格性能比が約3倍から6倍向上しているという。

同氏はPRIMEQUESTシリーズとPRIMERGYシリーズの位置付けについても触れた。「長期サポート、高信頼性、スケールアップが求められる場合はPRIMEQUESTを、コストパフォーマンスやスケールアウトが求められる場合はPRIMERGYを提供していく」

PRIMEQUESTとPRIMERGYのすみ分け

説明会では、今後のItaniumプロセッサの取り扱いについて質問がなされたが、同氏は「Itaniumプロセッサについて現行品の販売は続けるが、新製品には搭載しない。今後はXeonプロセッサに一本化していく。今日、Itaniumプロセッサに比べて、Xeonプロセッサはパフォーマンスも上がっている」と答えた。

またグローバル展開について、PRIMEQUEST 1000シリーズは世界で同時に発売されるが、グローバル市場に対してはPRIMERGYシリーズを積極的に展開し、PRIMEQUESTシリーズは導入実績がある23ヵ国を中心に販売していくという。

PRIMEQUEST 1000シリーズは、「PRIMEQUEST 1400S」、「同 1400E」、「同 1800E」、「同 1400L」、「同 1800L」の5モデルから構成される。1400Lと1800Lはロングライフモデルとして、初期導入時点で最長10年の保守を保障する。各モデルの価格は以下のとおり。

モデル名 CPU/コア数 最小構成標準価格(税別)
PRIMEQUEST 1400S 最大4CPU/32コア 300万円~
PRIMEQUEST 1400E 最大4CPU/32コア 710万円~
PRIMEQUEST 1800E 最大8CPU/64コア 1,140万円~
PRIMEQUEST 1400L 最大4CPU/32コア 920万円~
PRIMEQUEST 1800L 最大8CPU/64コア 1,480万円~

PRIMEQUEST 1000シリーズ