米Googleは3月18日(現地時間)、「Almost Native Graphics Layer Engine(ANGLE)」というオープンソース(BSDライセンス)プロジェクトを発表した。DirectX 9.0c APIを呼び出す、WebGLのOpenGL ES 2.0 APIサブセットの互換レイヤ実現を目指す。OpenGLドライバがインストールされていないWindows PCでも、ChromeのようなWebGL対応ブラウザでWebGLコンテンツを動作させるのが狙い。
WebGLは、Webブラウザ上でOpenGL ESを用いたプログラマブルシェーダ・ベースの3Dグラフィックスを実現する。プラグインが不要で、Webブラウザ上でネイティブ動作し、ハードウェアアクセラレーションによる高速動作を可能にする。シンプルな3Dコンテンツのみならず、Webブラウザ上で高度な3Dグラフィックスを用いた3Dゲームも可能になると期待されている。
現時点でWebGLは、WebGL対応ブラウザが動作するすべてのプラットフォームで利用できるわけではない。ブラウザでWebGLを活用するには、WebGLがOpenGLにグラフィックスコマンドを発行する必要がある。3D環境としてOpenGLを標準サポートしているMac OS XやLinuxでは問題はないが、Direct3Dがプライマリな3D APIであるWindowsでは、WebGLに必要なOpenGLドライバがインストールされていないことでグラフィックスハードウエアを利用できない可能性がある。ANGLEはOpenGL ES 2.0 APIの大部分に対応し、OpenGLドライバの有無にかかわらずWindows PCユーザーがWebGLコンテンツを動作させられるようにするという。
Googleの製品マネージャーのHenry Bridge氏はまた、ANGLEについて「モバイルデバイスや組み込みデバイス向けのアプリケーションに取り組む開発者にとっても便利なものになるだろう。ANGLEは、これらアプリケーションのWindows上でのプロトタイプ作りを容易にする」と指摘している。